*   A   *



ん…

あったかくて
優しい腕の重みが心地よくて
顔中に降るキスがうれしくて

それらを感じながら、ゆっくりと目を開ける
と、しょーちゃんのクチビルが鼻の先にキス
したところだった。

腕枕されて、カラダを抱きこまれて、足も
からんじゃって。
なにこれ?
オレってばまるで彼女じゃん?
超ハズいんだけど…
でも、すごく気持ちいい。

こんなの知っちゃったらさ…
どうするんだよ。
もう手放せなくなっちゃうよ?

「 しょーちゃん 」

「 おはよ、雅紀 」

「 オレ、寝てたの? 」

「 あぁ…
    イッた後に意識飛んでから寝てた 」

意識飛んで…って、マジか?
さっきまでの行為を思いだすと顔が熱い。

しかも、なんだかしょーちゃんが五割増し
にカッコよく見える。
オレ、乙女?

チュッ

「 雅紀…すげぇかわいかった   
    オレ、めちゃくちゃ幸せだわ
    ぜってー離さないからな 」

ギュッ

抱きしめてくれる腕に力がこもる。

いろいろハズいし、やっぱり腰とかもろもろ
痛ダルいけど…

「 しょーちゃん、だいすきだよ 」

言わずにはいられない。

こんな幸せを知ってしまった…
こんなに大切な人ができてしまった…

「 しょーちゃん、オレどうしよう? 」

「 んー?なにが? 」

「 幸せすぎてこわい 」

オレの顔を見て一瞬固まったしょーちゃん。

「 オレも 」

そう言うと、これまでに見たことのない
顔で…
やさしく、かわいく、幸せそうに笑って
くれた。