* 上 *
「 上田、悪かったな
助かったよ…ありがとう 」
そう言いながらソファで眠る相葉くんへと
向かうアニキ。
「 いえ、とんでもないっす 」
愛おしそうに頬を撫でているその表情に少し
驚く。
優しく甘く宝物を見るような…
「 ん…しょおちゃ 」
眠りながらもアニキの掌に顔をすり寄せる
相葉くん。
その姿から二人の愛情が伝わってくる。
「 上田、もうわかってると思うけど… 」
「 オレのこと信じてください 」
「 オマエのこと信じてるよ
だから雅紀を任せたんだ
オレの大切な…特別なヤツなんだ 」
優しい優しい愛する人を見つめる顔。
「 アニキもそんな顔するんですね…
大丈夫です
わかってます 」
「 ところでコイツ、何でこんなに飲んだ? 」
「 後輩連中がススメすぎたらしいです
相葉くん、優しいから飲んじゃって…
アイツらにはよく言っておきました! 」
「 ふふ…そうか 」
「 じゃあ、オレ帰ります 」
「 ああ、ありがとうな
今度は遊びに来いよ
雅紀のメシうまいからな 」
「 楽しみにしてます! 」
・
・
・
マンションを見上げ、さっきのアニキの顔
を思い出す。
長年のメンバー。
そして、愛する人。
特別な人。
お似合いの二人…羨ましいほどに。
知らず知らず自分も顔が和む。
こうしてオレの推理は立証された。
これから見られるであろう新しいアニキの
素顔に期待大だ。
そうだな、先ずは…
二人の馴れ初めから聞いてみようか?