*   上   *



「 上田、悪かったな
    助かったよ…ありがとう 」

そう言いながらソファで眠る相葉くんへと
向かうアニキ。

「 いえ、とんでもないっす 」

愛おしそうに頬を撫でているその表情に少し
驚く。
優しく甘く宝物を見るような…

「 ん…しょおちゃ 」

眠りながらもアニキの掌に顔をすり寄せる
相葉くん。
その姿から二人の愛情が伝わってくる。

「 上田、もうわかってると思うけど… 」

「 オレのこと信じてください 」

「 オマエのこと信じてるよ
    だから雅紀を任せたんだ 
    オレの大切な…特別なヤツなんだ 」

優しい優しい愛する人を見つめる顔。

「 アニキもそんな顔するんですね…
    大丈夫です
    わかってます 」

「 ところでコイツ、何でこんなに飲んだ? 」

「 後輩連中がススメすぎたらしいです
    相葉くん、優しいから飲んじゃって…
    アイツらにはよく言っておきました! 」

「 ふふ…そうか 」

「 じゃあ、オレ帰ります 」

「 ああ、ありがとうな
    今度は遊びに来いよ
    雅紀のメシうまいからな 」

「 楽しみにしてます! 」




マンションを見上げ、さっきのアニキの顔
を思い出す。

長年のメンバー。
そして、愛する人。
特別な人。
お似合いの二人…羨ましいほどに。

知らず知らず自分も顔が和む。

こうしてオレの推理は立証された。
これから見られるであろう新しいアニキの
素顔に期待大だ。

そうだな、先ずは…
二人の馴れ初めから聞いてみようか?