*   S   *



仕事が終わり、待ち合わせの店へ向かう。
智くんが好きな魚と酒がうまい店だ。

「 智くん、おまたせ 」

「 翔くん、おつかれ〜 」

カチンッ

グラスを合わせる。

「 ニノに聞いたの? 」

智くんがフニャッと笑う。

「 聞いたぞ〜
    相葉ちゃんに捨てゼリフされて、出て
    行かれたって 」

「 智くん…イジメないでよ… 」

「 翔くんは相葉ちゃんのことが好きすぎ
    るからなぁ 」

料理をつつきながら、楽しそうに話す智
くんが憎らしい。

「 雅紀さぁ…
    どんどんキレイになって魅力を増して…
    アイツを欲しがっているのはオレだけ
    じゃないって思ったら不安になった 」

手にしていたグラスの酒を一口飲んで項垂
れる。

「 相葉ちゃんは確かに翔くんと付き合い
    だしてからキレイになったな
    翔くんが心配する気持ちはわかる
    でも相葉ちゃんは男らしいところがあ
    るからなぁ
    やっぱりそこは立ててやらないとな 」

「 智くん、ありがとう
    明日…
    収録の後、雅紀をうちに連れて帰る 」

「 おう、早く仲直りしろ 」

もう一度グラスを合わせた。