* A *
しょーちゃんの意見を尊重して、革張りの
ソファをネット検索する。
潤がそうゆうの詳しいから相談にのってもら
ったりして…
でも最後はちゃんと本物を見てから決めたく
て、しょーちゃんと見て決めたくて。
「 ソファ、良さそうなのみつけたよ
しょーちゃんと見てから決めたい 」
「 もちろん、いいよ
一緒に見に行こうな 」
しょーちゃん希望の革張り。
二人でゆったりくつろげる大きさ。
オレの好みの色と、柔らかい皮の質感がちょ
うどいいソファに出会えた。
ローテーブル、ラグもそろえた。
しょーちゃんとの生活がどんどん現実味をお
びていく。
手のひらにある新しいカギ。
しょーちゃんとの生活が始まる。
少しずつ自分の荷物を新しい部屋に運ぶ。
オレの部屋から少しずつモノが減っていく。
ダンボールに荷物をつめていると、
ピンポーン
インターホンが鳴った。
カメラを見ると弟のユウ。
「 にーちゃん、餃子もってきた 」
久しぶりに会うからうれしくて。
「 なんだよ急に
家にいてよかったよ 」
「 うん、ちょっと近くまでくる用事があっ
たからさ…
てか、にーちゃん引っ越すの? 」
部屋を見回す。
「 あぁ…えっと…うん 」
「 ………もしかして誰かと住むとか? 」
「 へぇっ?えっ?なんで? 」
「 にーちゃん、わかりやすすぎだよ… 」
あきれ顔のユウ。
「 誰と?って聞いていいの? 」
真剣なその眼差しに…覚悟を決めた。
「 しょーちゃんと住む…付き合ってるんだ 」
「 ふ〜ん、そっか 」
軽く言うから…
「 えっ?それだけ? 」
「 にーちゃんが選んだ人なら文句ないし
てか、櫻井さんなら文句あるわけないじ
ゃん
あんなすごい人が相手だなんて 」
「 いや…男ってとこはスルー? 」
「 いまどきそんなこと問題ねぇよ
本気なんだろ? 」
優しく微笑むユウの顔を見て涙がでた。
「 もちろん本気だよ
ずっと…一緒にいるって決めたんだ 」
「 ならいいじゃん、おめでと
もー、泣くなよ! 」
「 ありがとう… 」
「 とーちゃんとかーちゃんには言うの? 」
「 考えてる
オレからちゃんと話すからそれまでは黙
っててくれる? 」
「 りょーかい
しっかし、櫻井さんかぁ
にーちゃん、すごい人捕まえたな 」
「 オレもそう思う 」
二人で笑いあった。
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弟のユウくんは当然ながら架空の人物です。