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事務所に雅紀と一緒に住むと伝えた。
チーフマネに、

「 オマエ達もか… 」

と、ため息をつかれたけれど反対するつもり
はなさそうだ。

「 なるべく早く…
    よろしくお願いします 」

「 わかった
    ただし、部屋はこちらで用意する
    それ以外は認めない 」

「 わかりました、お願いします 」

そして一週間後、マネからカギを渡された。

「 いつでも入居できます 」

「 ありがとう
    仕事もあるし、しばらくは自分の部屋と
    行ったり来たりかな 」

「 そうですね
    お手伝いできることがあれば言ってくだ
    さいね 」




雅紀との新しい部屋。
事務所が用意したタワーマンション高層階。
あんまり高いと怖えんだけどなぁ。
セキュリティ最重視の3LDK+サンルーム。
リビングは広い。
オレの書斎、雅紀の部屋、寝室、あとサン
ルームは花粉症の雅紀が洗濯物を干すのに
いい、なかなかの物件だった。

雅紀が本当に楽しそうに新しい家具なんか
の話をするから、オレも楽しくなる。

「 キッチンは雅紀にお任せだな 」

「 うん!まかせて〜 
    しょーちゃん、リビングどんな感じにし
    ようか? 」

「 ん〜雅紀のセンスに任せるよ
    オレは書斎があればいいから 」

「 そっかぁ…あったかい感じがいいよね 」

「 あっ!でもソファは革張りだぞ 」

「 え〜?なんで?
    ファブリック(布)の方がかわいいじゃん 」

不思議そうな顔。
でもこれは譲れない。

「 雅紀…
    ソファで盛り上がった時に革張りの方が
    安心だろ? 」

大真面目に答えると、雅紀が冷めた目で…
かわいそうなモノを見るような目でオレを
見た。

「 しょーちゃん…
    頭いいくせになんでそんなバカなの? 」

「 なんだよ、超大事な問題じゃねーか!
    だいたい、この間だってオレの家のソファ
    でシタ「 わぁっ!もういいからっ! 」

ニヤリ…口元が上がる。

「 決まりな 」

「 ………ワカリマシタ 」

あぁ、楽しい♪