背骨は椎間板と二つの椎間関節がセットとなり、積み木のように交互に重なっています(図1、2)。椎間板と椎間関節の3点が連動することで、背骨の屈伸や捻りが可能になります。しかし椎間板に不具合が生じると、椎間関節に負荷がかかり関節軟骨がすり減ります。そのうち積み木のバランスが変わり、図3のように不安定な状態となります。しかし、ここで人間の自然治癒効果が発揮され、椎間板周囲に骨棘ができ椎間関節が変形することで、不安定な積み木は安定化していきます。
膝の軟骨が擦り減ると炎症がおきて膝に水がたまり痛むように、椎間関節も軟骨が擦り減り炎症が生じ痛みを引き起こします。椎間関節炎による疼痛は、背骨正中から2-3横指外側に500円玉大の痛みがあり、背骨を反らせてどちらかに捻じるとキリッとした痛みが出ます。時にお尻や太ももの裏にまで痛みやしびれ感が波及することもあります。
まずは原因となる動作を避けるために、あえて痛み止めを飲まずに痛いことを避け、他の動きで代用する工夫をしましょう。症状が強い場合は椎間関節に痛み止めを注射する椎間関節ブロック(椎間関節ブロックが出来るか確認が必要です)という治療を行うこともあります。ある程度症状が落ち着いたら、腰~骨盤にかけてのストレッチを行い、局所にストレスが集中しないようにしましょう。
column
先日、日本整形外科学会に出席してきました。そこで大阪大学整形外科教授が「臨床医がなぜ研究をするのか」というタイトルで“研究することで得られるメリット”を述べられました。
研究とは、自分で解決すべき問題を発見し、自分で解決できる方法を見つけ、自分で実際に解決して新しい知見を生み、自分でそれを世の中に発信すること。企業でいえば、企画、プレゼン、マーケティング、ファウンディング、営業、制作、販売 etcを、一人で短期間でこなすようなものであると。そして外山滋比古「思考の整理学」からの引用で、「グライダー人間ではなく、自らの力で新たな世界へ飛び立てる飛行機人間になる」と記しています。
自分も大学で研究し論文作成し、博士号取得後も国内外で研究活動を続け、つくづく“研究することで得られるメリット”を感じていますし、それが今現在の“考える自分”の源となっていると思います。
若者にだけでなく、我々もいつまでも“飛行機人間”を目指していくべきであると思います。
次回は正直整形外科「腰痛のトリビア:側弯症」です。