椎間板ヘルニアは椎間板から脱出したヘルニア瘤が腰神経を刺激し、腰痛と下肢痛を引き起こしますが、腰椎椎間板障害は椎間板そのものが痛みの発生源になる状態で、いわゆる“ぎっくり腰”の原因です。朝は普通に起き、7時から8時ごろ顔を洗おうと前かがみになった瞬間に腰痛が生じ、午前中には身動きが取れなくなり、半日で症状が完成します。寝ていれば痛みはありませんが、寝返りや起きようとする時、座位から立位になる時に腰深くに激痛が走ります。どんな痛み止めも一切効きません!基本的には時間が薬ですから、予防がとても重要です。一方で椎間板ヘルニアは夕方から痛みが出始め、寝ていても足が痛くて寝れないところが椎間板障害と異なります。

 一般的にクッションを使い込むと“へたる”ように、クッション機能がある椎間板も年齢と共にへたります。またクッションも材質や使い方によって“へたる”程度が違うように、体質的にへたりやすい人、へたりやすい姿勢があります。

長時間の車運転やデスクワーク、中腰作業の途中で、図1の運動をちょこちょこ繰り返し、椎間板のストレス解除を行いましょう。重いものは小分けにし胸に引き寄せて運びましょう。車座席やソファーに座るときは、腰にクッションを入れて腰を反らすようにしましょう。コルセット効果は、コルセットを装着すると無理な姿勢が出来にくく、「自分は腰が悪い」という認識を植え付ける効果がメインで、コルセットをすれば無理が利くという意味ではありません。

一旦ぎっくり腰になると、基本的に時間が薬です。即効性はありませんが、図2の運動を痛みの範囲内で行ってください。うつ伏せであれば図3(“マッケンジー体操”で検索)を行ってください。ぎっくり腰になってしばらくの間は、図1のような前かがみは避けてください。これらの運動で下肢にシビレや疼痛が出るようであれば、ヘルニアの可能性が出てきます。


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昭和に生まれた“お客様は神様”思想は、今や“カスハラ”の温床となり問題視されています。直近ではグーグルマップに病院や医院の悪意ある口コミを放置したとして、医師らがグーグルを提訴しています。実際に私も自院、近隣の病院や医院の口コミを見ましたが、「待たせる、希望通りに処方しない、診断書を希望通り書いてくれない、無愛想、薬ばかり出す」と一方的なクレームが目立ちます。私の知る限り温厚で患者思いの先生に、「怒られた」という評価がありました。患者のことを思えばこその厳しい指導が、「怒られた、二度と行かない」という悪意のある評価に変わるのを見ると、非常に悲しく憤りを覚えます。我々が出来ることは、SNSに振り回されることなく、当たり前のことをコツコツと続けることであり、それが信頼につながると考えています。SNSの口コミではなく、実際にかかわった患者さんや家族からの昔ながらの口コミが、SNSの時代でも一番大事であると感じています。
次回は各論「腰痛のトリビア:仙腸関節障害」です。