イタミペディア


身体痛みを感じて整形外科を受診し、主治医から「どこも悪くない、大丈夫!」と言われた経験はありませんか?

捻挫や打撲などの外傷で骨折を疑う場合レントゲンを見て「大丈夫」は「骨折などは無い」という意味ですが、原因不明で関節や筋肉が痛む場合に「大丈夫」と言われてもピンときません。

例えるなら、車の調子が悪いときに整備に出して「大丈夫でした」と言われるようなものですから、納得は出来ませんよね。

では、なぜこのような「大丈夫」という言葉を医師は使用するのでしょうか?

その理由は、その医師が患者を診ていないからです。

踊る大捜査線(THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間)のクライマックスで、織田裕二が演じる青島俊作の名セリフ「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」風に言えば、

医師は画像を見るんじゃない、患者を診るんだでしょう。


では具体的にどう見るのでしょう。

ステップ① キーワードは“痛みのストーリー”です。

1) 痛みが出現した原因(怪我、動きすぎ、じっとしていたなど)やタイミング(何日何時何分? 何カ月前? など)
2) 痛みはどの部位にどのような時(常時または朝や夕方など)に、何をすると悪化し(体動時や安静時)、どうすると良くなるか(お風呂で温める、体を動かす、安静にするなど)
3) 痛みと同時に生じる症状(しびれ、脱力感、冷え など
4) 症状の推移(大分良くなった、だんだん悪くなる、変化ないなど)
5) 他科疾患の有無(整形外科の病気は他科の病気と合併することがあります)

 

ステップ② 次にレントゲン、CT検査、MRI検査などの画像検査および血液検査、尿検査で、症状を説明可能な所見を確認します。

ステップ③ ステップ①、②で得た様々な情報をもとに考察し、消去法で想像できる疾患を絞り診断治療法を提案します。

ステップ④ 進行性疾患の場合は、当初は診断が困難であっても、数週間、数か月と期間を開けることで診断が可能になることがあるので、すぐに治療効果を求めるのではなく、一定期間通院して症状の変化を観察すること大事です。

 


そしてこれらの4つのステップは、論理的に展開される必要があります。

 

本ブログでは、身体の痛みに関する話題を、まずは総論から次に各論へと進めていきます。

総論では

「EBM(Evidence Based Medicine)」から「NBM(Narrative Based Medicine)」

・整形外科で多用される痛み止めとシップの功罪

・サプリメントは必要か?

・手術をすべきかどうかの見極め

・身体から出される赤信号、黄信号

・人間が持つ“自然治癒能力

・老化への抗い

各論では

・腰痛症、ぎっくり腰、ヘルニア、坐骨神経痛の考えかた

・五十肩の原因と予防

・手や腕のしびれの原因

・テニス肘の予防

・膝痛や膝に溜まる水の理由

・足のトラブル、偏平足を中心に

・手首の疼痛

・指の疼痛と変形

 

などを予定しています。

また皆さんから疑問などがあれば、その話題についても触れていきたいと思います。