振り向くと いつも
そこにある人形のように
私が 私でいたいと笑うことさえ
いつも
誰かのレプリカだった
抱きしめた手足はいつも
固くて陶器のように
ひんやりと冷たい
彼方に私をあげたかった
私の全てをあげたかった
天を降る星も 月の満ち欠けさえ
彼方のために在ると 信じてほしかった
ぎこちなく細い指が 頬に触れた時
赦されているのだと 思って くれれば
未来も過去も超えて 彼方を彼方にする
幼い時代の宇宙のように
彼方を包んでゆける
彼方から 去ってゆける
そこは森の中のSANCTUARY
何時壊れるともしれぬハートを抱いて
黒く硬いソファの背にもたれて
長い髪をラプンツェルのように垂らして
読みかけの恋愛小説を膝に置いたまま
私の大事な人は
夢を見るように目を閉じていた
触れないでくれれば
ただそれだけで
泣かずにいられる
道は続いていて
言葉は途切れがちで
一点の曇りもない空に飲まれる
1人で居たかったわけじゃなく
1人でいられないと
壊れそうだった
アールグレイの優しい
匂いにひかれて
ブロック塀にもたれて
目を閉じる
ただ広い荒野ではなく
ここに道が在るよ
そびえ立つ壁と壁の隙間
いつまでも コーヒーが冷めるまでじゃなく
いつまでも いつまでも時の果てるまで
話して居たかった
今まで生きてきた寂しさの答えを
彼方との会話の中見出したかった
死んでも消えないような
幸福の極みを
刻印したかった
誰も読めない宝の地図みたいに
在るときのある場所にしか
存在しない
ひとときの 永遠の 幸福