「ここにおいで」
と伸ばされた手に
頬ずりしてから
背を向けた
君の腕の中は
世界中の何処よりも
安らかだったこと
忘れない。
一生分 使い果たしたかと思った
泣いて 泣いて
夜が明けて 日が暮れて 夜が明けるまで
眠りと涙で喉が涸れるまで
痛みの向こうの甘やかな闇と
聖書の裏表紙の模様みたいな
静けさを 見るまで
失ったものは
失ったものはどこからどこまでだろう
もうすでに私自信だった 私の後ろ姿が見えた
もう二度の始まり
忘れていた夢を
拾い上げて
ホコリを払い
くちづけるように
大事なものだったのが
大事なもので在りつづける
奇跡のように
いつまでも
いつまでもという言葉を
子供のように
口にできる?
愛していたと
いつでも
告白は
過去形でした。
しずくがぽたり
もう会えなくていいと
思っていた
ささやかにページをめくる
彼方は彼方のまま
私は私のまま
自由になろうと
2人 同じ高さで
違う世界を見ていた
それは一瞬の幻
ドアを開けて
外は花嵐
風に舞う華やかな散り際に
魅せられて
引力に身を任せる
陶酔
最後の 最後の 恋