しかし、決まり事や規則、いわゆる軍隊のようなまとまりを欲しがる゙形゙重視のS先生からは、N先生は冷たい扱いを受けているようでした。

そのサトウ先生は授業中に突然ガラガラッむかっ!と入ってきて、

「うるさい!」

的な事を言ってきた事もありました。

N先生の前に担任してくれたJ子先生の授業中にも、うるさがって注意しにやってきてあげくに教科書を見て「まだこんなとこやってるの?」とまくし立て出しました。

J子先生は新米だったので、自信をなくした子犬のように怯え゙じゃあ急いでやっちゃいましょうね゙モードになってしまいました。

時間通り進めるのは大事な事かもしれません。けれども、そのかわりにJ子先生のリズムが寸断されて、自分なりのやり方が急にできなくなったようでした。

確かに図面上ではゆっくりだっかもしれないけれども、退屈にも遅くも感じる事もなく、皆の感想を深く掘り下げて情感たっぷりに進行した、それなりに良い授業でした。

それがある意味、残念な流れに変わりました。

J子先生は、S先生に言われた言葉が残ってしまったようで、゙進行進行゙一色の温度のない冷たい空気に一変してしまったのです。
最終担任をM先生とすると、先の担任はN先生。

N先生が受け持った私達のクラスは、まるで野性の王国と化した部屋でした(笑)。

でもそれは悪い意味でのハチャメチャな元気さではなく、決して放埒すぎる訳でもなく、

子供本来の姿

で過ごせたからという表れでした。
そりゃ子供だから、今時とは違う?
いじめもありました。

目立ち系の男の子グループが、
目立ち系の女の子グループをいじめたり…その事で、ちゃんと皆でじっくり話し合った事もありました。

先生が大人目線で上から正論をぴしゃりと押し付けて、゙これは悪いわね、これは正しいでしょ、はい謝りなさいごめんなさーい、はいおしまい゙チャンチャン♪みたいなお約束な流れではありませんでした。

いじめられた側の子達が、
涙ながらに感情を出しながら
"あの時こうしたでしょあーしたでしょ"
それに対して思春期前の男の子達はわんぱくな返しをしますから。

勿論簡単には解決しないし、すぐには話は終わりません。

それでも゙付き合わされて帰るのが遅れる゙とか、そんな気持ちには全然なりませんでした。


ちゃんと言いたい事を真っ直ぐに話し合う場を設けてあげたんだ、良かったという安堵感はあったけど。

その間中、N先生は腕組みしながら後ろ側の壁に寄りかかってじっと黙って見守ってくれました。

ヒートアップしすぎたり、
収拾がつかなくなったら入ってくる程度でした。

その話し合いがあったからこそ、女の子達はある意味スッキリしたかのように見えました。


男の子達は当然バツが悪そうな感じではありましたが、少しずつ考えるようになったようでした。


N先生は、せかせかと答えを出させるのではなく、あくまで自分たちで意見をぶつけ合うように場を設けてくれました。

私達という第三者が立ち会える場所で。