ニコラ・ブリオーの『関係性の美学』の訳本が先月やっと出版された。

わたしは英語版を持っていたが、読まずに今になり、そしてやっと昨日訳本を手に入れた。

そして、今読み切った。

楽に読める内容であった。

訳者の、ブリオーの『ラディカント』が先に出版になりすみませんという謝りのコメントが、ラストのページにあった。

そう、『ラディカント』は去年読んだ。

訳者は別の人である。

 

『関係性の美学』の内容はモダニズム後に現れたリレーショナル・アートについてだ。

1990年以降の事柄を取り上げており、その30年を長いと見るか、もうすでに古いと見るか。

いわゆるリレーショナル・アートは、変容し、膨張して今も進化しているようにわたしは思う。

 

かつて、リレーショナル・アートという言葉から話が盛り上がることもあったが、今はどうなんだろう。

 

アートの沼にハマっていると、多様な文脈での語りに出会う。

先日読んだ原田裕規の『とるにたらない美術』は、彼が得意とするラッセンについてより深く論じたものであった。

ラッセンは作品を知っているが、それほど意識してないアーティストである。

このような書籍から改めて考えるきっかけにはなる。

 

ブリオーの『関係性の美学』の刊行の情報を下さった方に感謝。

紀伊國屋書店ウェブストアでは在庫僅少と表示が出るが、増刷はあるのではないかと思う。