一度は行ってみたいと思っていた徳島県鳴門市の大塚国際美術館。
横浜からクルーズで徳島の港へ行き、閉館後、貸切で見学ができた。(システィーナ・ホールでのミニコンサートつき)
大塚国際美術館は、陶板で作られた名作が展示されている。(名画で、ありそうでない作品もあるかも)
その数は約1000点、原寸大である。
古代から現代までの作品と、加えて「生と死」、「家族」、「だまし絵」などのテーマ別展示もあった。
2時間半で全てを見るのは無理だった。
そんな状況での感想。
この美術館は名画をテーマにしたテーマパークではないかと思った。
コピーというなら、海外でよく見る蝋人形館の平面画版といえるかも。
そして、こんなのまで陶板にする?というのまであった。
例えば、ナショナルギャラリーが所蔵している〈聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ〉のドローイング。
このドローイングは絵画作品の原寸大下絵として描かれたため、かなり大きい。
尚、このドローイングを下絵にした作品は存在していない。
この作品を陶板にしているのだが、ドローイングが陶板に向くのかどうか、ちょっと考えてしまった。
また、イブ・クラインの〈青のモノクローム〉。
イブ・クラインの青一色の作品は直島とかで見ているが、これも陶板にしちゃだめだろうと思った。
あの質感は、やはり本物を見ないと印象に残らないと思う。
そして、展示作品リストである。
いわゆるファミリーネームから記載されており、近代、現代のアーティストは、その記載方法にとても違和感を覚えた。
作品が角度によって微妙に光ったりするのも気になった。
建物自体の綺麗さと作品の数に圧倒されてしまうが、関西住みならまだしも、この美術館、2度目はないと思う。
昼間の時間の客層はわからないが、高校生、美術を学び始めた人にはとても良い美術館ではないだろうか。
海外で見た作品をもう一度見たい人にも、良い美術館だと思う。
1ヶ所だけ開いていたカフェにも入ったが、居心地もよく、ケーキも美味しかった。
大塚国際美術館は、総合的に考えたら、鑑賞者を選ばない、それはそれで大変貴重な美術館であると思う。