Little Friends -609ページ目

「北斗星」の旅路~食堂車「グランシャリオ」⑪

(続き)この時の僕は、ディナータイムに懐石膳を食べたばかりだし、部屋にタダ酒もあるから利用しなかったが、普段はパブタイムはよく利用する。

文庫本でも読みながら、料理をつまみ、シーバスリーガルの水割りを傾ける。カップルや友人同士で、まったり語りあうのもいいだろう。

窓には、卓上に飾られた可憐な一輪ざしと、やわらかい光を放つシェードランプが映り、時おり、すれ違う列車の灯や踏切の赤い警告灯が後方へと流れてゆく。

僕のふぬけた顔も映るが、幻滅するから、なるべく見ないようにしている。

交通機関による移動は、決して楽しいものではないし、まして1人では苦痛の場合も多いだろう。

でも、食堂車があるおかげで、「北斗星」の夜はとびきり贅沢な時間になる。

旅はプロセスも楽しめる。「北斗星」は、そのことを僕たちに教えてくれる列車だ。

ただ、何度も書いているが、宴会場と間違えている人もたまにいる。

もちろん迷惑だし、ゆったりした旅の楽しみ方を知らないそういう人たちを、かわいそうにすら思う。

パブタイムは23時まで(ラストオーダーは22時30分)。

シャワーの予約や、買い物なども23時までにすませておこう。(続く)

「北斗星」の旅路~食堂車「グランシャリオ」⑩

(続き)食堂車では、予約制のディナータイム終了後、予約不要のパブタイムが始まる。

札幌行の場合、ディナータイムは21時05分までだが、ディナータイムの客が全部引き上げ、客席のセッティングが終わった後からパブタイムが始まるから、開始時間は日によって多少前後する。

たまに、ディナータイム終了前に、気ぜわしく席につこうとする人がいるが、案内放送が流れるまで待つくらいの余裕はないのだろうか?これもみっともない大人の見本だ。

パブタイムのメニューは、お酒のおつまみの他、食事メニューもあるし、ケーキセットみたいなメニューもあるから、お酒を飲まなくても利用できる。

おつまみは、チーズ盛り合わせやソーセージ、ピザなど。昔は食事にもなる一品料理もあり、「ビーフカツレツ ベルン風」などは、自宅に帰ってから真似して作ったほどおいしかったのだが、食堂車も効率化が進み、人員も減ったため、メニューも簡素化されてきたのが残念だ。

食事の方は、ビーフシチューやハンバーグのセット、パスタなど。

予約なしで好きな料理を食べられるのが食堂車本来の姿だと思うのだが、今はパブタイムという短い時間でしか楽しめなくなった。(続く)

「北斗星」の旅路~個室A寝台「ロイヤル」にて⑦

(続き)「北斗星」は、夜の東北本線をひたすら北上している。

「北斗星」は、首都圏と北海道を結ぶ性格が強く、東北線内の停車駅は少ない。大宮、宇都宮、郡山、福島、仙台だけだ。

上野から、わざわざ高い料金を払って上記の駅で降りる人などいないし、乗込んでくる乗客もわずかだ。

ただ、時刻表では通過と書いてあっても、実際には翌朝の函館到着まで、盛岡、青森、蟹田に停る。

これは乗務員交代や機関車交換など、運転上の都合による「運転停車」で、ドアは開かない。

なお、青森は青森駅ではなく、普段は貨物列車しか通らない青森信号場で、ここで青函トンネル専用の機関車に付け替える。

蟹田は、青函トンネルに入る前にある海沿いの小さな駅だが、ここでは車掌が交代する。

長距離を走るブルートレインの場合、運転士は頻繁に交代するが、車掌は全区間通しで他のJRにまで乗り入れるケースが多い。

しかし、青函トンネルを通る列車は、緊急時の避難誘導訓練を受けたJR北海道の車掌しか乗務できないので、他のJRの車掌が蟹田から先に行くことはないそうだ。

餃子の町宇都宮を過ぎた頃、食堂車のスタッフのパブタイム開始の案内放送が流れた。(続く)