12月15日(月)、MET ライブ・ビューイング第2作『ラ・ボエーム』を見ました。


ジャコモ・プッチーニ(1858~1924)作曲の、名作中の名作。


演出は、フランコ・ゼフィレッリ(1923~2019)。

伝説的とも呼べる演出で、MET ライブ・ビューイングでもすでに何回か。

また、MET の来日公演でも。2011年6月、ミミは、アンナ・ネトレプコ。指揮は、ジェイムズ・レヴァイン。


今回の指揮は、ケリー=リン・ウィルソン。


パリの屋根裏部に、共同で暮らす、4人の貧しい芸術家たち。

名声はおろか、日々の糧にも苦労している彼らの、唯一誇れるものは、若さだけ。

そのなかのひとり、詩人のロドルフォが出会ったのは、やはり、貧しい、お針子暮らしをしているミミ。

ルチアというのが本名。しかし、本人も言うように、なぜかミミと呼ばれ。


ふたりは、愛しあい、愛しあっているがために、傷つけあい。

と、青春ドラマの定番。


しかし、それが『定番』となるのは、青春を過ごしたことのある者にとって、それが、自らの人生の『ひとコマ』であるから。

そのため、感情移入しやすく。

しかも、プッチーニの音楽が、ふるえる感情をさらにあおって。


涙腺の栓が、開きっばなし。


ここから、ミュージカル『レント』が生まれ。

ミュージカル映画『ムーラン・ルージュ』が生まれ。


それにしても、ついつい思ってしまうのは、

4人の若き芸術家ロドルフォ、マルチェッロ、コルリーネ、ショナールの体格が立派過ぎて、とうてい、日々の糧に困っているようには見えないこと。

仕方のないことですが。

しかし、その歌声はのびやかで。


ミミのジュリアナ・グリゴリアン。

若々しく、そして、美しく。


3時間30分が、至福の時と。