5月9日(土)の国立能楽堂。
狂言は、和泉流の『鬼瓦』。
能は、観世流の『浮舟』。
はじめに、歌人の梅内美華子さんの解説・能楽あんない。
『二人の男に愛された苦悶と狂乱』。
13:00~13:30
13:30~13:45
狂言『鬼瓦』
和泉流。
「領地争いによる訴訟のため長らく都にいた大名が、国に戻ることなり、太郎冠者を供にお礼かたがた因幡堂の薬師如来に参拝します。」(『プログラム』)
すると、因幡堂の見事な意匠を見て、大名がぽろぽろと泣き出して。
なぜ、大名は泣き出したのか?
それは、因幡堂の鬼瓦から、故郷にのこして来た妻を思い出したから。
鬼瓦の「瞼の大きいところ」「猿田彦の鼻ほど高いところ」「口が耳まで切れているところ」。それが、妻に似ていて、妻を思い出して。
そして、それがおかしくなっで、大きく笑って。『笑い留め』。
夫婦の情愛。
都にいる間に、遊び女などに夢中になっていたのではなく。
この因幡堂は、京都の平等寺。
日本三如来のひとつ。
あとのふたつは、
信州善光寺の阿弥陀如来。
京都清凉寺の釈迦如来。
14:05~15:30
能は『浮舟』。
観世流。
大和国・初瀬に参詣した僧が、宇治の里に到着すると、柴舟に乗った女性が。
その女性が、薫大将と、兵部卿宮という二人の貴公子に愛された浮舟について語り。
浮舟が、苦悩の果てに、行方知れずになっていると。
前シテが里の女。
僧が夜もすがら読経していると、浮舟の霊があらわれ。宇治川に身を投げるまでを再現して見せ。
「僧の弔いをうけて兜率天に生まれることが出来たと喜びながら、横川の風に紛れて姿を消す」。
『源氏物語』宇治十帖の世界。
二人の男性から愛された女性が、その間に挟まれて苦悩し、命を絶つ物語は、古今東西にあり。
5月29日から公開される『マテリアリスト 結婚の条件』も、「身長180cm、気が遠くなるほどリッチな投資家、すべてが“完璧”な」男性と、「夢を追う売れない俳優」で「バイトを転々とする元カレ」の男性。(「」内はチラシから)
まだ、映画を見ていないので、どのような結論を下すのかは、わかりませんが。
能『浮舟』では、浮舟は「成仏し、弥勒菩薩が住まう兜率天へ赴く喜びが描かれます。」(『プログラム』)
しかし、『源氏物語』では、宇治川に身を投げたものの、死ぬことは出来ず。出家して、仏門に入っても、現世の妄執からのがれることが出来ず。

能においては、なぜ、『救済』があるのか。
その背景を考えます。
