1月20日(火)、歌舞伎座で、『壽初春大歌舞伎』の昼の部を見ました。


『當午歳歌舞伎賑(あたるうまどしかぶきのにぎわい)』。


初春大歌舞伎の幕開けに、おめでたい狂言を三つ並べて。


『正札附根元草摺』

父の仇の館に踏み込もうとする曽我五郎(巳之助)の鎧の草摺を、小林朝比奈(歌昇)が引っ張って止めようとするやり取り。

『萬歳』

萬歳(梅玉)と、才造(勘九郎、幸四郎)。祝祭劇。

『木挽の闇爭』

曽我五郎(巳之助)と、曽我十郎(隼人)を中心に。工藤祐経(歌昇)。

若い顔ぶれ。


『曽我物』を並べて。


正月を祝う舞踊で幕開け。


『蜘蛛絲梓弦』

尾上右近の『八変化』。

その八役、個々がどうだこうだと言える知識はありませんが、舞台狭しと、次々に、変化し、あらわれる、その勢いに圧倒されました。

およそ1時間。ほぼフル回転。

彼の場合は、男の役も女の役も違和感なく。


坂田金時を、巳之助。

碓井貞光を、隼人。

渡辺綱を、吉之丞。

卜部季武を、精四郎。


最後の演目は、『源平布引滝』。

その『実盛物語』と名づけられた場面。

つまり、長い作品の、一場面を切り抜き。


斎藤実盛を、勘九郎。

すぐれた武人としとの、きびきびとした体の動き。そこからわき出る『情』の深さ。

しかし、観客の拍手を一番集めたのは、太郎吉を演じた守田緒兜。

巳之助の長男で、7歳。

台詞も明確て、動きも、きっちりと。

昨年、初お目見え。


また、瀬尾兼氏を、松緑。

そのたどって来た過去を背負い、孫のために、自らの命を差し出す。

奥行きのある人物造形。


歌舞伎を見はじめた頃、舞台の上は、歳上の、しかも、かなり歳上の役者たちでした。

やがて、同世代の役者たちになり。

それが、その子どもたちの代になり。

今や、その孫たちへと。


歳のはじめに、歳月のうつろいを、あらためて感じました。









一、當午歳歌舞伎賑(あたるうまどしかぶきのにぎわい)
「午年」の幕開きを寿ぐ、おめでたい三題

 令和八年「午年」の幕開きはおめでたい三題から。 
 〈正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)〉では父の仇である工藤祐経の館へ勇みゆく曽我五郎の鎧の草摺を小林朝比奈が掴み留める様を華やかに。人々に福を招く祝祭的な〈萬歳〉を、舞踊巧者の顔合せで。〈木挽の闇爭(だんまり)〉では暗闇のなかで繰り広げられる歌舞伎独特の「だんまり」の演出に、曽我兄弟ゆかりの人物が並び、歌舞伎座の旧町名「木挽町」を織り込んだひと幕をお届けします。初春興行に曽我兄弟の仇討ちを題材とした作品を上演するのは、江戸歌舞伎では吉例とされていました。

二、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)
初春の歌舞伎座に、蜘蛛の糸が舞う

 平安時代、武勇の誉れ高き源頼光が病で床に伏せっている寝所へ、忽然と女童が現れます。次から次へと姿を現す、妖しき影。馴染みの傾城薄雲太夫に姿を変えたのは蜘蛛の精で…。
 鮮やかな早替りで魅せる、エンターテインメント性あふれる変化舞踊。

三、実盛物語(さねもりものがたり)
知勇を兼ね備えた武将・斎藤実盛

 平家全盛の世、近江の国。源氏方の葵御前を匿っている百姓九郎助のもとへ、平家方の武将・斎藤実盛と瀬尾十郎が詮議にやってきます。実は密かに源氏に心を寄せる実盛。源氏の白旗を託された九郎助の娘小万のことを実盛が語り出すと…。
 源平合戦を描いた時代物の大作『源平布引滝』より、実盛の才気が冴えわたる名場面を、充実の競演でご高覧いただきます。


一、當午歳歌舞伎賑(あたるうまどしかぶきのにぎわい)

正札附根元草摺萬歳松岡 亮 脚本木挽の闇爭

〈正札附根元草摺〉



〈萬歳〉




〈木挽の闇爭〉

曽我五郎時致
小林朝比奈


萬歳
才造
才造


曽我五郎時致
曽我十郎祐成
大磯の虎
秩父庄司重忠
片貝姫
梶原平次景高
月小夜お玉
大藤内成景
工藤左衛門祐経

坂東 巳之助
中村 


中村 
中村 勘九郎
松本 幸四郎


坂東 巳之助
中村 
坂東 
尾上 
中村 
大谷 廣太郎
市川 笑三郎
中村 
中村 

石川耕士 補綴

二、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)

尾上右近八変化相勤め申し候

女童扇弥
薬売り研作
番頭新造四つ輪
太鼓持栄寿
座頭音市
傾城薄雲実は女郎蜘蛛の精
平井保昌

坂田金時
碓井貞光
渡辺綱
卜部季武
金時女房八重菊
貞光女房桐の谷
源頼光
尾上 

坂東 巳之助
中村 
中村 吉之丞
澤村 精四郎
市川 笑三郎
市川 
市川 門之助



源平布引滝

三、実盛物語(さねもりものがたり)
斎藤別当実盛
小万
倅太郎吉
九郎助女房小よし
百姓九郎助
御台葵御前
瀬尾十郎兼氏


中村 勘九郎
中村 七之助
守田 
中村 
嵐  橘三郎
坂東 
尾上