9月24日(水)、映画『ブラックドッグ』を見ました。


監督・脚本は、グアン・フー。

共同脚本、ジ・ルイ、ウー・ビン。


ゴビ砂漠の端に位置する、さびれた町。

取り立てての産業もなく、人びとが、次々と町を去り。

そこに、町の再開発の話が持ち上がり。

重機により、取り壊される建物。住民は、強制的に立ち退きをさせられ。


荒涼としたゴビ砂漠。荒廃した町。

それらが、圧倒的な力、存在感で迫って来ます。


そこに戻って来たのが、ラン(エディ・ポン)。

殺人を犯し。ただ、その状況から『過失致死罪』とされ。

刑務所から、仮出所。

※公式サイトでは、『刑期を終え』となっていますが。


刑務所での生活によって、言葉を失い(失語症)。


そのランの、再生の物語。


冒頭。

ゴビ砂漠を走るバス。

そこに現れた、大量の野犬。その数の多さ。

そのために、バスは横転し。

それが、帰郷したランの、第一歩。


町の顔役ヤオ(ジャ・ジャンクー)から、再開発推進のための野犬狩りの仕事を与えられ。


人びとから捨てられた犬が、野犬となり、町に跋扈し。

人びとを襲い、狂犬病を発症させ。

その狂犬病にかかって精神を病んだ男が、物語に、意外な流れを作ります。


野犬のなかにあって、他の犬たちとは混じらず、孤高を貫く、黒い犬。


ランと、その黒い犬との出会い。

賞金のかけられた犬。

捕獲隊によって、ようやく捕獲され。

それを、運搬するトラックを運転するラン。

しかし、嵐がゴビ砂漠を襲い、トラックは横転し。

荒野に取り残されたランと、黒い犬。

吹雪となり、気温がさがり。

いつしか、ランと黒い犬は、お互いの体温で温めあい。

といっても、その後も、ランと黒い犬との間には、紆余曲折があり。


やがて、ランは、バイクに、サイドカーをこしらえ。

黒い犬と行動を共にするようになり。


そのランに、執拗に襲いかかるのが、ランに、甥を殺された男フー。


物語は、ランの父親も。

ランが逮捕され。その痛手に酒浸りとなり。

経営していた動物園も、町の荒廃にあわせたかたちで、閉園。残された動物たちに、乏しいエサを与える日々。


そして、雑技団の女。


それぞれが、荒涼とした心をかかえ。


で、どうなるのか。

物語の展開のおもしろさ、ゆたかさ。


カンヌ国際映画祭の『ある視点』部門で、最優秀作品賞。

と、パルム・ドッグ賞。

(パルムドールではありません)


公式サイトから。

中国を舞台に、罪を背負った青年と黒い犬の絆を美しいブルーグレイの映像で描き、2024年・第77回カンヌ国際映画祭にて「ある視点」部門の最優秀作品賞とパルム・ドッグ審査員賞を受賞したヒューマンドラマ。

2008年、北京オリンピックの開催が迫る中国。誤って殺人を犯し服役していた青年ランは刑期を終え、ゴビ砂漠の端に位置するさびれた街に帰郷する。人の流出が止まらず廃墟が目立つ街には、捨てられた犬たちが野犬化し群れをなしていた。知り合いの警察官に誘われ地元のパトロール隊で働くことになったランは、ある日、群れに加わらず単独行動している黒い犬と出会う。賢く決して人間に捕まらないその犬とランとの間には、いつしか奇妙な絆が芽生えはじめる。