6月18日(火)、東京芸術劇場シアターイーストで、 モダンスイマーズの、『雨とベンツと国道と私』を見ました。
作・演出は、蓬莱竜太。
『劇団結成25周年の新作公演』
25周年という歳月に、驚きました。
こちらの意識のなかでは、『若手劇団』。
いつも、そこに、新鮮な出会いがあったからでしょうか。
ということは、こちらにも、その歳月は重たくのしかかっているということ。
今回は、『罪と赦し』がテーマと、作者自身の言葉。
舞台は、簡素。
上手、下手に椅子が置かれ、そこが俳優の『待機』場所。
そこで、水分補給をしたり。
道具類も置かれていて、場面の転換ごとに、俳優たちにより、舞台中央に。
五味栞の名前が背景に映され。
その前で、五味栞(山中志歩)の『訴え』。
以前、映画の撮影現場に、助手として入った時、その主演女優の宮本圭(生越千晴)に恋をし。
しかし、その現場、監督の坂根真一による、凄まじいパワハラが横行。
その荒れた現場で生じた『事故』により、圭は、片方の目を失い。
栞は、そのトラウマをかかえ。
そのうえ、コロナ感染により、味覚障害をかかえ。
閉じこもりの日々。
そこに、映画関係で知り合った才谷敦子(小林さやか)から電話があり、群馬で映画を撮るので手伝ってほしい、と。
亡き夫とのことを、自ら脚本にし、自主映画を撮るという。
で、群馬に出かけた栞。
低姿勢の監督の六甲トオル(小椋毅)。
敦子自身が、妻を演じ。
相手役は、ほぼ素人である若手の石田凛太朗(名村辰)。
栞は、すぐに、六甲トオルが、かつての坂根真一であることに気づき。
坂根は、撮影現場のパワハラぶりを録音され、それが公開されたために、映画界にはいられなくなり。
しかし、優れた監督であった坂根の才能が埋もれてしまうことを惜しみ、敦子が、名前を変えて、撮影現場に戻ることを提案し。
以前の坂根とは、真逆な六甲トオル。
自分の考えを言わず、妥協を重ねていく。
しかし、栞は、すぐに気づき。
一方の、坂根は、助手のひとりに過ぎなかった栞の記憶はなく。
その六甲のもとに、以前のスタッフ、カメラを担当するKENGO(西條義将)、録音、その他を担当する山口壮一(津村知与支)も、集まっていて。
栞と、坂根の『対決』。
それに巻き込まれて、登場人物たちの激論。
背景に名前が映されるのは、才谷敦子と、坂根真一も。
それぞれが、自らの『人生』を語り、その思いを語り。
五味栞にしても、才谷敦子にしても、坂根真一にしても、時間の経過のなかでは癒えることのなかった『傷』をかかえ。鬱積した思いをかかえ。
それが、登場人物たちに絡み合っていき。
そして、国道での、最後の撮影。
そこでの、大爆発。
(といっても、ベンツが爆発したのではありませんが)
それぞれの登場人物たちが、しっかりと奥行きを持って描かれ。
過去と現在が交錯し。
1時間50分。
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