5月15日(水)、信濃町にある文学座のアトリエで、『アラビアンナイト』見ました。

(18日までの公演)


『アラビアンナイト』、あるいは、『千夜一夜物語』は、子どもの頃、少年少女世界名作全集の、ページをめくるごとにある挿絵を楽しみながら、読んだ記憶があります。


それを、ドミニク・クックが舞台化。

鴇澤麻由子の訳で、五戸真理枝が演出をしています。


2002年に、『文学座ファミリーシアター』として、青山円形劇場で、高瀬久男演出により生まれた作品。

それを、今回は、五戸真理枝演出で。


第1幕

『アリババと四十人の盗賊』

『船乗りシンドバッドの冒険』

『アブ・ハサンが屁をした話』

第2幕。

『ものを食べない奥さんの話』

『妹を妬んだ二人の姉』


それを、10人のキャストが、


物語のはじまりは、国王シャハリヤール(松井 工)が、最愛の妻に浮気され、その怒りから妻と相手の男の首をはね。

その後、国王は裏切られないために、毎夜若い娘を妻に迎えては、翌朝、処刑するという行為を繰り返し。

そこで、国王に仕えていた大臣の娘シャハラザード(日景温子)が一計を案じ、自ら国王の妻になり…


シャハラザードは、翌朝殺されないために、おもしろい物語をかたって、国王の興味を引き寄せて、それが毎夜毎夜続いて。


舞台は、シャハラザードの世界があり、彼女の語る物語の世界があり。

そのふたつの世界を行き来して。


文学座のアトリエという、限られた空間を、逆に活かして。

装置も、移動可能な、少し高さのある平台を使い、それを、重ねたり、離したりして。


物語として、残酷な描写もありますが、例えば、人間を切り刻んだり。

しかし、それも工夫して。

今回の公演、ゴールデンウィーク中の3日間、4回の公演は『ファミリーデイ』として、『ファミリーデイバージョン』での公演。

そちらは見ていないので、どのような違いがあるか、わかりませんが。

しかし、15日(水)の、18時30分の上演にも、小さな子どもの姿が客席に。 


2時間45分。途中15分の休憩が。


10人のキャストが、その『身体』をフルに活用して。

それにより、物語が生き生きと展開して。

すでに知っている物語が、色鮮やかによみがえって来ました。


文学座の公式サイトから。

2002年「これからの未来を担う子どもたちに生の演劇を体感してもらいたい」そんな願いから生まれたファミリーシアターは2011年まで続きました。記念すべき一作目は髙瀬久男演出により青山円形劇場で日本初演された『アラビアン ナイト』。様々な小道具や人形を巧みに駆使し、音楽と演劇との融合を見事に果たした作品となりました。そのイデオロギーは現在の「ぶんがくざこどもげき」へ脈々と引き継がれています。そして本年、この両方を発展させ、アトリエ本公演にて『アラビアンナイト』を復活させます。この機会に、家族で過ごす時間の中に「観劇」という選択肢を加えてみては。親子で劇場に足を運んでの観劇体験は、きっと素晴らしい思い出となるでしょう。世界中で戦争が続く現代、「憎しみからは何も生まれない、愛によってしか未来は紡げない」という本作のテーマを、アトリエという臨場感抜群の空間で体感して下さい。演出は、2023年度第30回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞した五戸真理枝。大人にはファンタジーとして、子供にはリアリティとして、誰も見たことのない、新しい千夜一夜の世界へご案内します。