5月13日(月)、激しい雨のなか、桜木町の映画館に。

METライブビューイングの第7弾が『ロメオとジュリエット』。


ウィリアム・シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を原作に、シャルル・グノー(1818~1893)が、ジュール・バルビエとミシェル・カレという、長年のコンビの台本を得て、1867年、パリのリリック座で初演した作品。


グノーのオペラとして、『ファウスト』(1859年、パリのリリック座初演)とともに、よく知られ、よく上演される作品です。


指揮は、ヤニック・ネゼ=セガン。


演出は、バートレット・シャー。

彼のこの作品、すでに、2016ー17のシーズンの『ライブビューイング』で、上映されています。


バートレット・シャーは、2018年に、渡辺謙の王様、ケリー・オハラのアンナで、『王様と私』のロンドン公演を演出しています。


この『ロメオとジュリエット』、もともとは、14世紀のヴェローナを舞台にしていますが、この演出では、18世紀に時代をかえて。

幕間でのインタビューで、シャーは、フェリーニの『カサノヴァ』に影響を受けたためと。その、ある種の禍々しさに惹かれて、と。


物語の大筋は、シェークスピアの『ロミオとジュリエット』に添って。


敵対するモンタギュー家とキャピュレット家。

それぞれの家のロメオとジュリエットが出会ってしまい、恋に落ちてしまい。

そして、悲劇が。


なんとも、流麗、華麗な音楽。


「長年いがみ合い、敵対してきた家柄に生まれた初々しい10代の恋人たちのいちずな恋物語だが、最後には二人とも息絶えてしまう。」(プログラム)


作品に魅了されながらも、気になったのが、ロメオ役のベンジャミン・ベルナイム。

「リリックな声にやわらかさを湛え、美しい仏語で歌うフランスを代表するテノール。」(プログラム)

確かに、その通りなのですが、気になったのが、肌の色つやのなさ。前の開いた服からは、胸毛がのぞいていて。

1985年のパリ生まれ。とあるので、40歳に近く。


ジュリエットをひとめ見て恋に落ち、思慮分別もなく、一途に突っ走っていく10代の若者というイメージではなく(きわめて個人的感想ですが)。

体の内からあふれて来る、若さのエネルギーが感じられず。


確かに、歌には惹き付けられましたが。


一方のジュリエット役のネイディーン・シエラ。

MET のライブビューイングでも、すっかりお馴染み。

1988年の生まれなのですが、その全身から、少女の初々しさが。


ティボルト役のフレデリック・バレンタインの、のびやかな声が、とても印象に残りました。


それにしても、ロメオに、ジュリエットが『仮死』状態で待っているという連絡が、きちんと届いていれば、めでたしめでたしとなったのですが。


MET ライブビューイング、今回は、第6弾の『運命の力』が、日程があわず。

新演出だったので、楽しみにしていたのですが。

残りはプッチーニの『つばめ』と、同じくプッチーニの『蝶々夫人』。