4月18日(木)、京都国立近代美術館で開催中の『Tessai  富岡鉄斎』展。


没後100年を記念しての特別展。


富岡鉄斎の作品は、これまでにも、いろいろな機会に接していましたが、鉄斎の『全身』と向き合う機会はなかったので。

で、今回。


午前中に、京都国立博物館で、雪舟の作品と立ち向かい、そのため、雪舟と鉄斎とが頭のなかを行き来しながら。


チラシには、

『Tomioka  Tessai :  The  Last  Literati  Painter』

と。

要するに、『文人画家』であり、それを生業としている『職業画家』ではない、と。


1836年、幕末の京都に生まれた鉄斎。


「石門心学を中心に儒学、国学、仏教など諸学を広く学びながら同時に、南宗画、やまと絵など多様な流派の絵画も独学し、深い学識に裏付けられた豊かな画業を展開しました。」(チラシ)


『独学』。


もちろん、先人たちの手本もあり、同時代人との交渉もあったでしょうが。


会期は、4期に分かれていて。

第1期4月2日(火)から4月14日(日)

第2期4月16日(火)から4月29日(月・休)

第3期5月1日(水)から5月12日(日)

第4期5月14日(火)から5月26日(日)


序章 『鉄斎の芸業  画と書』

第一章『鉄斎の日常  多癖と交友』

第ニ章『鉄斎の旅  探勝と探究』

終章『鉄斎の到達点  老熟と清新』


展示資料によると、展示総数375点。


で、第1期では、249点を見ることが出来ました。


序章『鉄斎の画業 画と書』

そのNo.1が、正宗得三郎の『富岡鉄斎像』(大正14)。


そして、鉄斎の作品が並びます。


No. 2『山水図』(慶応3)

No. 5『携琴訪友図』(江戸末から明治初期)

No. 6『大田垣蓮月肖像』(明治10)

No. 17『漁樵問答図』(明治33)

などなど。


第一章『鉄斎の日常 多癖と交友』

ここには、

No. 32『眼鏡・眼鏡ケース』33『印肉入』34『平形鞄』35『文机』37『虫眼鏡』38『バスケット』39『補聴器』

またNo. 61『鉄硯』62『東坡硯』63『墨箱』

と、日常の品が並びます。


十七代雲林院宝山作、富岡鉄斎筆の、急須や煎茶碗、水指などの『煎茶皆具』。


鉄斎が収集した、方印。

鉄斎自身が彫った、方印。

それらの数の多さ。


第二章『鉄斎の旅 探勝と探究』

No. 268『越渓観楓図』(明治2)

No. 269『琵琶湖舟遊図』(明治3)

No. 279『通天紅葉図』(明治15)

No. 286『嵐山秋楓図』(明治19)

などなど。


終章『鉄斎の到達点 老熟と清新』

No. 321『富士山図』(明治31)

No. 332『鮮魚図』(明治43)

No. 343『碧桃寿鳥図』(大正5)

などなど。


質・量ともに充実。


雪舟の描く『世界』は、時に、人を拒絶するかのような、厳しさがあるのに対して、鉄斎は、その『世界』の空気がやわらかで。

と、そんなことを感じながら。


それにしても、館内は閑散としていて。

時に、空間を独り占め。


『富士山図』(明治31)

鉄斎63歳の時の作品。



上の作品は、第3、第4期に展示。
『妙義山図・瀞八丁図』






以下、略です。