3月25日(月)、『落下の解剖学』を、見ました。


ジュスティーヌ・トリエ脚本・監督作品。


共同脚本は、アルチュール・アラリ。


チラシの表に、

「雪山の山荘で、男が転落死した。

男の妻に殺人容疑がかかり、

唯一の証人は視覚障がいのある

11歳の息子。」


そして、

「これは

事故か、

自殺か、

殺人かーー。」


第76回カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドール賞を受賞。

第81回ゴールデングローブ賞の最優秀脚本賞、最優秀非英語映画賞を受賞。

第96 回アカデミー賞脚本賞を受賞。

などなど。


雪山の、周囲とは隔絶した山荘。

そこには、売れない作家である夫と、売れっ子の作家である妻とが、11歳になる息子と暮らしていて。

その息子は、男の起こした交通事故で、視覚障害となり、盲導犬であるスヌープが、常にかたわらに。

このスヌープを演じた、ボーダーコリーのメッシは、カンヌ国際映画祭で、パルムドッグ賞を受賞しています。


で、息子のダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)が、スヌープとの散歩から戻ると、スヌープの異様な吠え声。

ダニエルが駆け寄ると、父が転落し、すでに息もなく。

母のサンドラ(サンドラ・ヒュラー)に助けを求め。


しかし、男は、すでに死亡していて。


本来ならば、そのまま『自殺』で処理されるところ。

それが、遺体の検死により、落下によらない打撲の跡などが見つかり。


サンドラに、殺人の容疑がかかり。

裁判に。

有名作家であるところから、マスコミも関心を寄せ。


サンドラの弁護を担当するのは、サンドラと過去に付き合いのあった弁護士ヴァンサン・レンツィ(スワン・アルロー)。


検事(アントワーヌ・レナルツ)の厳しい追求。


「証人や検事により、夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場人物の数だけ〈真実〉が現れるがーー。」(チラシ)。


次々と暴き出される夫婦の、『実体』。

そして、そのことが、息子のダニエルを傷つけ。

ダニエルは、父のことを、母のことを、そして、両者のことを、知らされて。


過去の、それぞれの時点と、現在とが行き来して。


緊張に満ちた152分。


で、

事故だったのか?

自殺だったのか?

それとも、

殺人だったのか?


裁判の結果は?


題名は、『落下の解剖学』。

原題も、『Anatomy  of  a  Fall』。で、邦題は、その直訳。


確かに、『解剖』され、さまざまな臓腑が引き出されて。