3月1日(金)、ザ・高円寺1で、一糸座の『崩壊 白鯨ヲ追ウ夢』を見ました。


3月3日(日)までの上演。すでに、終わっています。


作・演出は、東憲司。


物語の『世界』は、幾つもの層で成り立ち、物語の展開のなかで、その層を行き来し。

そして、ラスト、物語の終わりとなって、『層』を形成していた基盤の物語があらわれて。


海上を漂流した果てに発見された、『オヨグ』と呼ばれる少年(松本紀保)。

親友を探して、海に出たと語り。

今は、病床に。

その少年を診察する医者(原田大二郎)。


彼らの世界と、小説『白鯨』の世界が重なり。

白鯨モビィ・ディックに、足を齧り取られたエイハブ船長(人形・江戸伝内)。

そして、ピークォド号の乗組員たち。

スターバック(人形・結城一糸)。

イシュメル(人形・結城民子)。


少年オヨグは、彼らとともに、海原に乗り出し。


彼らを襲う白鯨モビィ・ディック。


『桟敷童子』の舞台のような、大がかりの仕掛け。


『桟敷童子』からは、役者として、鈴木めぐみ、川原洋子、稲葉能敬が参加。


巨大な白鯨モビィ・ディックが、舞台上を、泳ぎ。


そして、その後には、海に漂う少年兵たちの遺体。


自らを『ボク』と呼び、親友の少年を探し求める、少年オヨグとは、一体、何者なのか。

医者は、オヨグを女性だと言い。


やがて明らかになる、オヨグと、親友とされる少年との関係。


豊かな物語。


そして、悲しい物語。