11月16日(木)、六本木の俳優座劇場で、無名塾による公演、『等伯ー反骨の画聖ー』を見ました。


チラシを見ても、

上演台本の岡本矢より、

演出の仲代達矢の活字が大きく。

なにしろ、無名塾ですから。


チラシに、

「能登が生んだ稀代の絵師、長谷川等伯。生涯を賭して闘い続け、追い求めたものとはーー。」


長谷川等伯(1539~1610)。


とても好きな絵師。


東京国立博物館所蔵の、国宝『松林図屏風』。


等伯に関係して、一番好きな場所は、京都の智積院。

そこには、国宝の障壁画『桜楓図』があり。

等伯の『楓図』に対して、子である久蔵の『桜図』があるからです。


夏の暑さを逃れて、智積院の、『楓図』と『桜図』を前に、床に腰をおろし、等伯と久蔵の息づかいを感じる。

誰もいない、静けさのなかで。

とても、好きな時間です。


もっとも、それは、以前のこと。

最近の京都を思うと、はたして、ひとり占め出来る贅沢が許されるかどうか?


で、無名塾の『等伯』は、その長谷川等伯が、織田信長が暗殺され、豊臣秀吉の世の中となり、やがて、徳川家康の天下となっていく、その『激動』の時代を、どのように生きたかを、描いています。

『社会』を根底から揺るがす変革の時代であり、そのときどきの権力と、どのように結びついていくか。特に、狩野派、狩野永徳(1543~1590)との『抗争』を、どのように生き抜いていくか。

まさに、『ドラマ』に満ちた時代。


で、物語の展開においては、新鮮さはなく。

むしろ、登場人物たちが、その台詞のなかで、状況を説明して。


ただ、無名塾の俳優たちの、エネルギー。

それを感じました。





無名塾の公式サイトから。

無名塾 『等伯 —反骨の画聖—』

能登が生んだ稀代の絵師、長谷川等伯。
生涯を賭して闘い続け、追い求めたものとは――。

国宝『松林図』――圧倒的な画力と稀有な表現力で見る者の心を捉えて放さない、この作品を描いた絵師こそが、長谷川等伯である。
1539年、安土桃山、未だ戦乱の世。能登半島七尾の染物屋に生まれ、その才能を絵仏師として開花させた一人の男は、やがて京都へ上り、絵師として「等伯」の画号を名乗る。当時、画壇に君臨した狩野派の圧力にも屈することなく、等伯は、我が子や弟子たちと共に、京の名刹の襖絵や天井画を次々に手掛けるまでの活躍を見せる。下剋上の世、不安定な政情に翻弄されながらも、等伯はその筆の力で、真に優れた絵を追い求め、己の魂を燃やし続けた。 襲い掛かる苛酷な運命に抗いながら、等伯は、なぜ、あの静謐な『松林図』を描いたのか――。
反骨の画聖、長谷川等伯の生涯を、能登に縁の深い無名塾が総力で描き出す。

演出:仲代達矢
上演台本:岡山 矢

出演:赤羽秀之 中山 研 本郷 弦 鎌倉太郎 進藤健太郎 川村 進 円地晶子