10月27日(金)、東京ステーションギャラリーで開催中の『春陽会誕生100年   それぞれの闘い』展に行きました。


副題に、「岸田劉生、中川一政から岡鹿之助」と。


春陽会というのは、チラシには、

「春陽会は1922年に帝国美術院、二科会に拮抗する第三の洋画団体として、すでに知名度のある画家たちにより組織された歴史ある美術団体」であり、

「本展は、春陽会の創立から1950年代頃までの展開を、100点以上の作品で辿ろうとするものです。」と。


で、今回の展示は、

1、春陽会で活躍した豪華な面々

2、こだわりの内容、約50名の画家の作品、各地より

3、春陽会の展覧会を彩った代表作が続々登場


会場は、

第1章 始動:第3の洋画団体誕生

第2章 展開:それぞれの日本、それぞれの道

第3章 独創:不穏のなかで

第4章 展望:巨星たちと新たなる流れ

にわかれていて。


この第1章に、

梅原龍三郎(1888~1986)の4点。

岸田劉生(1891~1929)の11点。

彼は、38歳で亡くなっています。

岸田劉生では、京都国立近代美術館所蔵の『麗子弾絃図』(1923)など。


ただ、どうも岸田劉生とは、合わないのです。

その色調の暗さ。

もちろん、日本近代絵画史における評価は評価として、『好み』の上では、心が揺さぶられないのです。

それは、梅原龍三郎も同じで。


もちろん、もらえるのなら、にこにこ顔で、ありがたく頂戴しますが。

岸田劉生の作品、家の中の空気を重たくしそうで。


この第1章。

三岸好太郎(1903~1934)の『少女』(1924・個人蔵)があり。

彼は、31歳で亡くなり。

その作品に並んで、

妻の三岸節子(1905~1999)の、あの『自画像』(1925・一宮市三岸節子記念美術館)が。

この『自画像』とは、何回か会っていて。三岸節子の作品を訪ねて、一宮市まで行きましたが。

じっとこちらを見つめる少女の、強く迫ってくる意志。

圧倒されます。

三岸節子は、好きな画家です。


第2章では、

萬鐵五郎(1885~1927)作品が、5点。(もう1点は、第1章に)。

『羅布かづく人』(1925・岩手県立美術館)。

『裸婦(ほお杖の人)』(1926・東京国立近代美術館)。

彼の作品も、好きです。


岩手県立美術館は、盛岡市にある、お気に入りの美術館。

この萬鐵五郎や、松本竣介、舟越保武の作品が並び。

『レストランパティオ』も、窓からの景色もよく。

岩手の食材を使った料理も美味しくて。

この美術館には、何度か。このレストランも。

ところが、念のためにと確認してみると、2023年3月19日をもって閉店した、と。

岩手県立美術館のサイトで確認したのですが、そこに、

「休業中、ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。」と。

と言うことは、「休業」。

しかし、再開予定が記されてなく。


旅先での美術館、博物館に行く楽しみは、併設されているレストランや喫茶室で、非日常の時間を得ることなのです。


閑話休題。


この第2章では、大澤鉦一郎(1893~1973)の『少女海水浴』(1932・愛知県美術館)に、惹き付けられました。

10人の少女たちが、海水浴をしていて。

そのなかのひとりが、目をパッチリと開けて、こちらを見つめていて。どうしても、目があってしまい。


第3章。

鳥海青児(1902~1972)の4点。

『信州の畠(一)』(1936・東京都現代美術館)。

『水田』(1936・平塚市美術館)。


第4章では、

中川一政(1893~1991)。

彼の作品は、第1章、第3章に、それぞれ1点。この第4章に、4 点。

第1章の『静物』(1924)が、豊橋市美術博物館の所蔵。

残りは、真鶴町立中川一政美術館の所蔵。


しかし、この第4章は、今回の目的である岡鹿之助(1898~1978)。

劇評家の岡鬼太郎の長男なのです。


彼の作品は、6点。

その『点描』の世界。


彼の絵は、部屋に飾っておきたい。

絵に負けてしまうような部屋ですが。


チラシの作品が、岡鹿之助の『魚』(1939・横須賀美術館)。


この横須賀美術館、目の前が海。


併設されているのが、『アクアマーレ』。


南青山に本店を構える「リストランテ アクアパッツア」の日高良実シェフが総料理長を務め。

「東京湾が一望できるガラス張りの店内。ランチは明るく開放的な雰囲気で、海を眺めながら地元食材を使ったランチセットやコース料理、自家製デザートを味わうことができます。ディナーはキャンドルの明かりと共に、ゆったり落ち着いた雰囲気の中で滋味溢れるお料理の数々とワインをお楽しみいただけます。」

(横須賀美術館の公式サイトから)


ただ、交通が不便で。

車で行くと、ワインが飲めない。


閑話休題。


岡鹿之助の作品は、

『窓』(1949・愛知県美術館)。

『観測所』(1951・静岡県立美術館)。

『山麓』(1957・京都国立近代美術館)。

『群落(A)』(1962・東京国立近代美術館)。

『段丘』(1978・個人蔵、群馬県立近代美術館寄託)。


充実した作品展示。

満足して。








展示室では、写真撮影が不可。









東京ステーションギャラリーの入口に。


そして、定番。

天井を見上げて。