新宿のSOMPO美術館で開催されている

『山下清展』。


9月10日(日)まで開催。


彼の作品は、これまで、さまざまなところで見てきました。


今回は、その集大成ということで、山下清の人生をたどりながら、作品の生まれた背景を踏まえながら、作品と対面。

ということを、期待して。


チラシに、みどころとして、

1、山下清の生誕100年を記念する大回顧展

「昭和の時代に『日本のゴッホ』とも呼ばれた天才画家、山下清の画業と人生を振り返る大規模な展覧会です。」


2、芸術家、山下清の真の姿に迫る

「気ままな旅に持参したリュックや着ていた浴衣などの関連資料と併せて、緻密で繊細な表現、そして職人技といえる高い技術を示す貼絵など約190点の作品によって、その人物像と制作活動をご紹介します。」


3、旅の風景を鋭い観察眼で捉えた山下清の世界

「驚異的な記憶力と集中力を併せもつ清は、旅先で見た風景を細部まで正確に思い出し、手で細かくちぎった紙片を緻密に貼り合わせることで、超絶技巧的な貼絵を生み出しました。手の込んだ細部描写と豊かな色調を特徴とする山下清の世界をご堪能ください。」


集中力とその持続力。

それに圧倒されます。

しかし、そこには、その力を動かす、豊かな色彩感覚、造型感覚の裏付けが。


そのあまりの細かさのために、目を悪くして。

それで、貼絵から、ペン画、水彩画。


また、驚くことに、テレビや映画で、放浪する山下清は、各地でスケッチをしていましたが、実際の彼は、旅先では、作品に向き合わなかった、と。

学園にもどり、そこで、彼の記憶のなかにある風景を、作品として、再現して。


しかし、旅先でスケッチする映像の印象が強いために、贋作も多いとのこと。

その贋作を集めた『山下清展』が、高い入場料をとって行われているとか。

山下清の公式サイトは、そのことを訴えています。


チケット売場に、長い列が出来ていて、チケットを手に入れても、会場への道は遠く。

その列の長さに、たじろぎましたが、しかし、やはり、山下清の作品に接しての充足感、並んでよかった、です。


第1章 山下清の誕生ー昆虫そして絵との出合い


まずは、鉛筆画で、『花火』『お風呂』など。

1922(大正11)年生まれの山下清の、1930(昭和5)年から1932(昭和7)年頃の作品が並びます。

その的確なデッサン力。


とんぼや、蝶、かたつむりなど、貼絵やペン画。

これも、『あしなが蜂』や『蝶々』などは、1934(昭和9)年の作品。


第2章 学園生活と放浪への旅立ち


『放浪』のきっかけは、徴兵検査を受けたくなかったから、と。


特別出品として、『絵日記帳』が。

1954(昭和29)年、1955(昭和30)年のものです。

鉛筆で、各地の風景を描き。

横浜や、江の島、熱海も。


それにしても、行く先々で、小遣いをあげたり、食事の世話をしたりする人たちの存在。

そのことを、当時の社会と現在の社会と比較して。


第3章 画家・山下清のはじまりー多彩な芸術への試み


油彩への挑戦


ペン画ー点と線の芸術


第4章 ヨーロッパにてー清がみた風景


ヨーロッパ風景・貼絵、・水彩画とペン画

驚くほど、技量の上達が。

1961(昭和36)年頃から1964(昭和39)年頃の作品です。


第5章 円熟期の創作活動


才能が開花した陶磁器


そして、


清が愛した富士山


そして、遺作として、東海道五十三次。


出展数191点。


山下清、1971(昭和46)年に、脳出血により、49歳で亡くなります。


『裸の大将』という、映画やテレビ。


また、大林宣彦監督の、『この空の花ー長岡花火物語』(2012年公開)にも、『山下清』が登場して。


今回、展示された作品のほとんどが、『山下清作品管理事務所』の所蔵しているもの。


最後のコーナーが、『収蔵品コーナー』で、


東郷青児の『望郷』(1959)。

グランマ・モーゼスの『さあ、ボートに乗りに行こう』(1949)。

フィンセント・ファン・ゴッホの『ひまわり』(1888)。


が展示され、撮影が可能。










エレベーターの扉に。


エレベーターホールの壁に。





SOMPO美術館所蔵品から、3点。

こちらは、撮影が可能で。

東郷青児の『望郷』。


グランマ・モーゼスの『さあ、ボートに乗りに行こう』。


そして、フィンセント・ファン・ゴッホの『ひまわり』。

知名度、抜群で。