歌舞伎座、今月は、『秀山祭』。
その一部、二部を見ました。
『秀山祭』というのは、初世中村吉右衛門の功績を顕彰することを目的として、2006(平成18)年から、開催されています。
『秀山』は、その初世中村吉右衛門の俳名。
開催の中心にいたのが、二世中村吉右衛門さん。
そして、今回の『秀山祭』は、『二世中村吉右衛門1周忌追善』興行。
そのため、ゆかりの演目が並びました。
一部は、吉右衛門さんが、松貫四の名前で、構成・演出し、主演した『白鷺城異文聞(はくろうじょうものがたり)』。
これは、姫路城の特設舞台で演じられたもので、見たことはありません。
『菅原伝授手習鑑』の『寺子屋』。
松王丸、武部源蔵の吉右衛門さん。
二部は、『松浦の太鼓』。
これも、松浦鎮信の吉右衛門さんを。
それぞれに、その姿、その声、残っています。
そして、『揚羽蝶繍姿(あげはちょうつづれのおもかげ)』。
吉右衛門さんが演じた、数々の作品、人物。当たり役の名場面集。
佐野次郎左衛門、熊谷次郎直実、一条大蔵長成、呉服屋十兵衛、新中納言知盛、幡随院長兵衛などなど。
しかし、それぞれの役者が、それぞれの役を演じても、かえって、吉右衛門さんの不在が、強く迫ってきて。
同じ時代に生きあわせた幸せと、それを失った空虚感。
いつでも、いてくれる。
いつまでも、いてくれる。
それが、思い込みに過ぎなかった。
そのことを、あらためて、感じました。
三部は、後日。
『仮名手本忠臣蔵』の『祇園一力茶屋』。
仁左衛門さんの、大星由良之助。
雀右衛門さんの、おかる。
で、寺岡平右衛門が、海老蔵さん。
『藤戸』。
菊之助さんで。
これも、松貫四の構成による作品です。