4月6日、『tick. tick...BOOM 』を、見ました。
監督は、リン=マニュエル・ミランダ。
ブロードウェイ・ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』(2008)や、『ハミルトン』(2015)の、作詞・作曲をし、そして、主演もして。
また、アニメ『モアナと伝説の海』(2016)に、全11曲の楽曲を提供。
で、この『tick. tick...BOOM 』が、映画デビュー作。
原作は、ジョナサン・ラーソン。
脚本は、スティーブン・レベンソン。
あの、ジョナサン・ラーソン。
彼が、『RENT /レント』の前に発表したのが、『tick. tick. . .BOOM 』。
この映画は、ジョナサン・ラーソンの自伝的作品。
1990年のニューヨーク。
食堂のウェイターとして働きながら、ミュージカル作者としての成功を夢見るジョナサン。
1990年1月26日の誕生日。30歳を迎えるジョナサンは、焦っていて。
なにしろ、彼の尊敬するスティーブン・ソンドハイム(1930~2021)は、30 歳前に、そのキャリアをスタートさせているのです。
ジェローム・ロビンズ演出の、『ウエスト・サイド・ストーリー』の作詞。
1957年のことです。
ジョージ・オーウェルの『1984』を、ロックミュージカルに仕立てた『スーパービア』。
しかし、舞台化することなく。
挫折。
それでも、その公開ステージに来た、ソンドハイムからの激励もあり。
ソンドハイムは、ジョナサンの才能を、高く評価していました。
ソンドハイムを演じるのは、ブラッドリー・ウィットフォード。
やがて、『tick. tick...BOOM 』という作品へと結実し、評価を得るまで。
ジョナサン・ラーソンを、アンドリュー・ガーフィールド。
映画では、『アメージング・スパイダーマン』(2017)など。
舞台では、『エンジェルス・イン・アメリカ』(2018)で、トニー賞演劇主演男優賞を受賞しています。見たい舞台ですが。
そのジョナサンを囲む仲間たち。
ヴァネッサ・ハジェンズや、アレクサンドラ・シップなど。
時は、AIDSが猛威をふるう時代。
彼の友人・知人も。
若者の、夢と、その実現を前にしての挫折。
しかし、そこから立ち直って、再び歩きだし、成功をおさめるまで。
まさに、『青春ミュージカル』。
しかし、それでも、心に穴があいて、悲しいのは、この後の、ジョナサン・ラーソンが、どうなったかを、知っているから。
1996年1月26日、『ラ・ボエーム』を現代に置き換えた、『RENT /レント』。
そのオフ・ブロードウェイでのプレビュー。
しかし、前日の1月25日、ジョナサン・ラーソンは、大動脈瘤破裂で、急逝してしまうのです。
35歳。
そのことを知っているから、ジョナサン・ラーソンの『成功』に至る道筋を描く、この作品が、ほろ苦い、のです。
映像は、最後に、実際の、ジョナサン・ラーソンの姿を紹介し、その急逝を伝えて。
これは、Netflixの作品。
それを、劇場公開で、見ました。
『RENT / レント』、映画化もされました。
日本人キャストによる舞台も見ました。
とても、楽しく、とても、悲しい作品でした。