12月8日(水)、文学座のアトリエで、ハロルド・ピンター(1930~2008))の「短編6作品を、一挙上演上演!」。
総合タイトルは、『Hello 』。
これは、チラシにある、
「20世紀後半の演劇界に大きな影響を与え、人間の尊厳の復活を信じて闘い続けたノーベル文学賞受賞作家のハロルド・ピンター。
ピンターの言葉を通して私たちは再び現代を歩き始める。
文学座が初めて出会うーHello! Pinter!」
から。
舞台を、客席入口から入った正面に、横長にとり、上手下手が格子で、袖として。そこに椅子が、四脚ずつ。
その椅子を、それぞれの作品に応じて、中央の舞台に置いて。
『家族の声』
『ヴィクトリア駅』
『丁度それだけ』
『景気づけに一杯』
『山の言葉』
『灰から灰へ』
他の公演で、見たことがある作品もあれば、今回が、初見の作品も。
そこに展開するのは、日常の会話。しかし、そこでやり取りされる言葉が、多義性を持ち、そこから、その場の「状況」や、その奥にひろがる「世界」を、観客が自ら、構築していかなくてはならない。
そのため、会話の「言葉」と、常に対峙することが要求されて。
一瞬、一瞬、気を抜くことが許されず。
だから、疲れるのです。
心地よい疲れではなく、重たいものを抱え込んでしまった疲労。
2時間45分。
途中、2回、それぞれ10分の休憩がふくまれ。
疲れました。
横に長い舞台。
その下手の、前から2列目の、一番端の席。
首を、ほぼ右45度の角度に維持して、舞台を見て。
そのため、休憩時間には、首を、左45度に。
展開される、日常。現実。
それを、俳優たちが、その身体もふくめて、具現化していき。
そのため、濃密な「状況」が生まれ、「世界」が現れて。
充実した時間を過ごすことができ。
ただ、チラシにも記されていた、
「追いつめられた人をめぐる不条理を、恐怖とユーモアのうちに描く独特の作風は、その名を冠してピンタレスクと呼ばれる。」
ここにある、「恐怖とユーモア」。その「ユーモア」、です。
疲れた理由の大きな原因が、ここにあるのではないか、と。