3月25日(月)、桜木町のブルク13で、スパイク・リー監督の、『ブラック・クランズマン』を見ました。
スパイク・リー監督作品、以前は、『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1990)、『ジャングル・フィーバー』(1992)、『マルコムX』(1993)と、続けて見ていたのですが、最近は、ご無沙汰していました。
しかし、この『ブラック・クランズマン』は、前評判が高く、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞したり、アカデミー賞の脚色賞を受賞したこともあり、出かけました。
宣伝の言葉に、「前代未聞の実話!黒人刑事がKKK(白人至上主義団体)に潜入捜査。痛快リアル・クライム・エンターテイメント!」とあるように、実話です。
この作品の主人公である、ロン・ストールワースが、自らの体験を記した『ブラック・クランズマン』。それを、もとにしています。
1970年代の終わり、場所は、コロラドスプリングス。
ロン・ストールワース(ジョン・デヴィット・ワシントン)は、初のアフリカ系アメリカ人刑事として、着任しました。署内での、彼に対する差別、偏見。「黒人」を、「カエル」と呼び。なぜ、「カエル」と呼ぶのか、分かりませんが。
それに嫌気がさして、彼は、別の部署を希望。
たまたま、KKKの新聞広告を見つけ、電話をし、その主旨に賛同するとか何とか誤魔化して、支部の責任者と会うことに。
しかし、会えば、すぐに、ロンが、「黒人」であることが分かってしまいます。そこで、同僚のフリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)に協力を依頼し、ロンは、電話での応対、直接、会うのは、フリップと、それぞれの分担を決めます。
潜入捜査が、バレないかどうかの、緊張感。
そのスリルに、笑い的要素を加味して。
展開は、そうした白人至上主義者たちと、それと対立する、アフリカ系アメリカ人。特に、黒人学生自治会会長のパトリス・デュマス(ローラ・ハリアー)と、ロンとの出会い。
KKKの入会式と、黒人老人が、若者たちの集会で、淡々と、しかし、怒りに満ちて、虐殺された仲間の話をする、その交錯する展開は、緊迫します。
KKKの、一部過激派が、その集会に、爆薬を仕掛けようとする動きも、加わり。
久し振りに、スパイク・リー監督の、「パンチ」ある映像に、触れることが出来ました。
ただ、この作品を、さらに理解するためには、「当事者」にならないといけない、とも。
例えば、壁に貼られたポスター。それが、映画のポスターであったり。
それが、そのことだけで、どのような意味を、情報を提示しているのか、分かりません。
1915年に制作された、D・W・グリフィス監督の、名作とされる『国民の創造』。その作品が、KKKを再興させるきっかけになった、と。この『ブラック・クランズマン』でも、KKKのメンバーたちが、歓声をあげながら見ている場面がありました。
かなり昔、リバイバル公開された『国民の創造』を見たのですが、そのことを、考えないで見ていました。
そして、『風と共に去りぬ』も。南部の、白人社会と、その崩壊を描いています。
また、同僚のフリップ。彼が、実際に、潜入するのですが、彼は、ユダヤ系アメリカ人。そのことに対して、特別に関心を抱いていなかったのが、KKKの集会に参加し、彼らの差別意識が、ユダヤ系にも向けられていることを知り、フリップの中に、目覚めて来るものがありました。それを描いていることも、この作品の奥行きを、深いものとしています。
KKKへの、潜入捜査。その物語が、ひとまず終わります。
ロンとパトリスが、一つ部屋にいると、表で、不審な物音。二人が、銃を構えて、ドアを開けると・・・。
そこから、この作品は、さらに物語を押し進めていきます。
白装束に身をかためた、KKKのメンバーが、燃え盛る十字架を囲んでいる光景。
さらに、映像は、生々しい現実を、生々しい映像で展開していきます。
白人至上主義者たちと、それに反対する者たちとの対立、抗争。その乱闘する映像。
トランプ大統領が、「アメリカファースト」を口にする。元KKKの最高幹部デヴィッド・デュークも、登場。
彼は、役としても登場していて、おちょくられていました。
差別、そこから生じる分断。分断された両者にある、憎悪。
それが、ストレートパンチとして、スクリーンから飛んで来ます。
スパイク・リー監督は、プレミアの席で、
「ただの一つの作品だと思ってほしくない。見た人が映画館を出て、『これが歴史の一部なんだ』と感じてほしい。今、私たちは、アメリカだけでなく世界的に大変な時期を迎えているから。」と。
重たいバンチを、まともに受けて、疲労し、スイーツを食べました。

