11月26日(月)、上野の森美術館で開催中の、『フェルメール展』に、行きました。



『牛乳を注ぐ女』
牛乳を鉢へ注いで、パン粥を作っている?




『ワイングラス』

現在、フェルメールの作として確認されているのが、35点とも、37点とも。
今回、そのうちの9点が、展示されるのです。
ただし、本邦初公開の『赤い帽子の娘』は、12月20日までの展示で、ワシントン・ナショナル・ギャラリーに、帰ってしまいます。
それに代わり、1月9日からは、ドレスデン国立古典絵画館から、来日します。

ヨハネス・フェルメールは、1632年に、ネーデルランド連邦共和国、現在のオランダのデルフトに生まれました。そして、亡くなったのが、1675年。やはり、デルフトで。
彼が生まれた場所も、結婚して暮らした場所も、そして、彼のお墓も、デルフトの街の、ごく狭い範囲。そこが、彼の生活圏。そこで、生まれ、生きて、亡くなった。

で、今回の美術展は、「日時指定入場制」を採用しています。
チラシによると、
「本展ては日時指定入場制を導入いたします。欧米では普及しているこの方法、長時間お待ちになることなく、入場後も心ゆくまでお過ごしいただけます。さらにみなさまに作品を味わい尽くしていただくために、音声ガイドを来場者全員に無料で提供いたします。これら鑑賞環境の改良に伴い、チケットの価格は一般2500円(前売日時指定券)と通常の展覧会よりも高めの価格設定となります。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。」
確かに、入場に際して、1時間も、2時間も、3時間も並ぶことはありませんでした。だいたい、15分の待ち時間でした。
しかし、中は、やはり、ある程度は、混雑。
この前売日時指定入場券、予定枚数に達し次第、販売終了するとありましたが、それぞれの時間枠、上限を、どのように設定していたのか。
11月26日の、13時から14時30分の日時指定でしたが、かなり、当日売りもしていました。
なぜ、この事にこだわるかというと、フェルメールの作品の展示されている部屋、音声ガイドを聴きながらの鑑賞で、どうしても、その絵の前で、立ち止まる。そのための、大渋滞。
係員による、「本日は、混雑しているので、少しずつ進みながら」の声かけが、頻りに。
その、「混雑」を避けるための、「日時指定」であり、「入場制限」なのではないかと。

受付で、各作品の説明を記したガイドブックと、音声ガイドが配布されます。
音声ガイドは、ナビゲーターが、石原さとみ。ナレーターが、大場真人。

会場は、6つに分かれていて、
1、オランダ人との出会い 肖像画
2、遠い昔の物語 神話画と宗教画
3、戸外の画家たち 風景画
4、命なきものの美 静物画
5、日々の生活 風俗画
6、光と影 フェルメール
となっています。

フェルメールと、同時代の画家たち。
彼らと、フェルメールとの違いは、どこにあるのか?

フェルメールを中心とした展示のために、他の画家たちの作品が、窮屈な扱いに。
特に、3会場。

そして、フェルメールに関する映像を流す、シアターがあり、白を基調とした廊下を抜けると、そこが、フェルメールの「特別室」。
そこに、
『マルタとマリアの家のキリスト』(スコットランド・ナショナル・ギャラリー)
『牛乳を注ぐ女』(アムステルダム国立美術館)
『ワイングラス』(ベルリン国立美術館)
『リュートを調弦する女』(メトロポリタン美術館)
『真珠の首飾りの女』(ベルリン国立美術館)
『手紙を書く女』(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)
『赤い帽子の娘』(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)
『手紙を書く婦人と召使い』(アイルランド・ナショナル・ギャラリー)
が、並びます。

ガイドブックによると、
「ミステリアスな緊張感をたたえた静謐な空間、光の粒子までをも捉えた独特な質感を特徴とし、『光の魔術師』と称されることもあります。」

確かに、向かって左側にある窓、そこから差し込む光。その光の中に浮かび上がる人物。その人物たちの関係。
そこには、さまざまな寓意があり、物語があります。
作品を前にして、あれこれと空想を駆け巡らせる、それこそが至福の時間なのですが、混雑した中では、不可能。




3の、左手の行き止まり。片側の絵を見ながら、奥に進む流れと、反対側の絵を見ながら、戻ってくる流れとが、ぶつかり、混雑。



これを見ながらの人もいて。確かに、便利ではあるのですが、渋滞の原因にもなっていました。

確かに、フェルメールで、この程度の混雑であったのなら、それを評価すべきなのかもしれません。