まだまだリハビリ中のJohnです。先日より実話に基づくビートルズのフィクションをお送りしています。今回もその続きです。
Rubber Soul
1965年、ビートルズはまた新たなアルバムを作った。ラバー・ソウルである。
このアルバムは、これまでの彼らの作風と異なり、明るく元気で陽気なビートルズは姿を消し、代わって内省的な部分が見え始めていると言われる。また時代に先駆けてアルバム全体にトータル性を持たせた最初の作品とも言われている。
ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンは同じキャピトル・レーベルから間もなくリリースされるビートルズの新譜アルバムを入手して聴いていた。
「アルバム全体に統一感がある。こういうアルバムが作りたかったんだ。へえ、Rubber Soulっていうのか。何だか名前にも意味がありそうだな。それにこのジャケット写真。明らかにヤクの影響が出てる。」
ブライアンの言葉の中にあった『ヤク』と言うのはマリファナのことである。ビートルズにマリファナを持ち込んだのはボブ・ディランだと言われている。全米ツアーの最中に持ち込んだそうだ。当時はまだマリファナを取り締まる法律がなかったのだ。こういったヤクによって起こされる幻覚作用をあらわす言葉として『サイケデリック』という語が一般的に使われるようになるのは、この直後からだ。ビートルズもロックンロール期を卒業してサイケデリック期に突入する。
このRubber Soulに対してブライアン・ウィルソンは、彼らの名作アルバムPet Soundsで答えている。このPet Soundsはある意味でポール・マッカートニーの理想でもあった。すなわち、アメリカン・ポップスが築き上げてきた粋を集めた作品だったからだ。ジョンの推進するロックンロール路線に対しポールはポップス路線の作風とアレンジをビートルズに持ち込んだ。それが拮抗し始めたのがRubber Soulだった。
ポールがこのアルバム・タイトルを思いついた理由」は、Anthologyにヒントがある。そこに収録されているI’m Dounの最後にポールが「プラスティック・ソウル」とつぶやいています。偽物のソウルとでも言った意味と取れます。恐らくplasticより、もっと語呂の良い言葉としてRubberを選び、アルバム・タイトルとしたのでしょう。
Pet Sounds中、特にポールが気に入ったのはThe God Only Knowsという曲だった。これに対してポールはHere There And Everywjhereで応えている。どちらも限りなく美しい曲だ。
さてさきほどPet Sounds がRubber Soulの返答だと書いた。しかし、こうして実際にRevolverやSGT. Pepper’s lonely Hearts Club Bandもお互いに影響し合っている。返す返すもSGT. Pepper’s影響下に書かれたと思われるビーチ・ボーイズのSmileが当時未完に終わったことが残念で仕方がない。