先週観た映画たち(その164)/『天才スピヴェット』 | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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『天才スピヴェット』



あの『アメリ』を撮ったジャン=ピエール・ジュネが、作った新作です。これを御覧になった方は恐らく、変わった作風の映画だな、と思ったことでしょう。でも、この映画の原作、ライフ・ラーセン著「T・S・スピヴェット君 傑作集」を読んだなら、きっと納得されると思います。何しろ変わった本なんです。何しろ挿絵の多い本なんです。その挿絵がまた半端ではない!
主人公のT.S.は絵が得意な夢想家の少年、しかもその頭脳は天才的、という設定で、原作では彼の描く細密画が数多く掲載されているのです。
そのあたりを、この映画でも上手く取り扱っています。天才で夢想家の主人公の、妄想を度々挿入するなど、『アメリ』と同様な手法を取入れています。

スピヴェット家は、モンタナの片田舎に家族5人で暮らしていました。父は時代遅れのカウボーイ、母は昆虫学者、そしてアイドルを夢見る姉と、双子の弟レイトン、そしてT.S.という家族構成でしたが、ある日弟が銃の暴発事故で亡くなり、それが彼のトラウマとなります。そしてもう一つ、T.Sの天才性には、この片田舎では父も母も学校の先生さえも気付かなかったのです。そんな時に、彼がスミソニアン博物館に提出していた永久運動の機械の図面が大きな賞を取り、ワシントンでの表彰式に出席するよう電話を受けます。彼は父母にも告げず、ただ一人でワシントンへ旅立つのですが・・・。

結局は、家族の再生の話なのですが、もちろん実話ではありません。どちらかと言えばファンタジーに近いと言えるかもしれません。10歳の少年のロードムービーというところでしょう。
『アメリ』で開発された、新しいエンタテインメント映画の手法を使って作られた、ファミリー映画と言えそうです。楽しかったですよ。