ビートルズと並んで世界に大きな影響を与えていたビーチボーイズのブライアン・ウィルソンは、レノン、マッカートニーと並んで大好きなアーティストです。そのブライアンのことを好き勝手にお話しますが、第三回目の今日も、私の大好きな曲『God Only Knows』の話の続きです。
2012年のビーチボーイズ日本公演では、故カール・ウィルソンの映像と声を使って生演奏を同期させ、「God Only Knows」を披露してくれましたが、カールの声がこの曲のキモとなっていることを思い知らされました。ブライアンの持っている音楽性を表現するのに「イノセント」という言葉が使われることがしばしばありますが、その言葉はまさにカールの声にもあてはまります。
ブライアンはその声からして天才だと、山下達郎氏がどこかで語っていました。特にその裏声にも天賦の才を感じますね。また、カールの声もブライアンとよく似た声質でした。カールの天使の声とブライアンの神の裏声を中心に(ブルース・ジョンストンの歌声もこの曲で初披露)、美しくも複雑なコーラスは相変わらず秀麗で、加えてルート音を敢えて外すベース・フレーズ、美しさを引き立たせるフレンチホルンの響きなど、アレンジ面でも、ブライアン・ウィルソンの天才性を感じさせます。
1997年にリリースされたCD4枚組ボックスセット『Pet Sounds Session』では、「God Only Knows」のブライアン自身のボーカルによるリハーサル・テイクが収録されていました。完成ヴァージョンと比較するとコーラス・パートがまだ未完成だったのですが、やはりブライアンの声で歌われるとそれだけで胸に迫って来るのは何故でしょう?
(YouTubeにアップされていた「God Only Knows」の、ブライアンによるリハーサル・テイク)
またこの曲が収録された『Pet Sounds』は、ロックの範疇に分類されてはいますが、ロックの重要な要素であるドラムスまで極力排除して、新しいサウンドを追求しています。聞き覚えのある方も、もう一度聴いてみてください。ドラムスの入らない曲が非常に多くて驚かれると思います。このあたりにも、ブライアンの天才性を感じることができますね。
私の想像ですが、ポール・マッカートニーがアルバム『Revolver』の中に収録した名曲「Here There And Everywhere」は、まさにこの「God Only Knows」の影響下に書かれた曲であると思っています。ブライアンがこんなに美しい曲を書いたなら、オレも対抗して書くぞ、といったところではないでしょうか。「God Only Knows」を絶賛するポールの発言には、そんな心意気を感じたものでした。
ブライアンにとってもこの曲は自信作であったはずで、後にブライアンのソロ活動でも非常によく歌われています。さらにこの曲のイメージを追求した同系統のナンバーまで作曲しています。それがビーチボーイズの1970年のアルバム『Sunflower』に収録された「Our Sweet Love」でしょう。「God Only Knows」の二番煎じのイメージは拭えませんが、フィーリングの良く似た佳曲ですので、ぜひご一聴を!
ビーチボーイズとブライアン・ウィルソンの話は、また日を改めて!