1967年にリリーサされたファースト・アルバム『The Doors(ハートに火をつけて)』が大ヒットし、一躍アメリカを代表するバンドの一つとなったことをお話しました。同年にリリースされたセカンド・アルバム『Strange Days』ではよりサイケ色が強まり、1968年のサード・アルバム『Waiting For The Sun』では「Hello I Love You」などややポップなサウンド・メイクがなされNo.1ヒットとなりましたが、基本的にはファースト・アルバムの方向性を踏襲したものでした。

しかし1969年の4thアルバム『The Soft Parade』ではブラスやストリングスを導入し、ポップ感溢れる作品にサイケデリック時代の終焉を感じさせました。これまで作曲を全員の名義にしていた彼らですが、本作ではギターのロビー・クルーガーとジムの二人のみが作者としてクレジットされています。この時期には彼らの過激なライヴにも注目が集まり、その中でジムが舞台上で下半身裸となり逮捕される事件が起こります。この裁判が片付くまでに一年半を要し、それがジムに大きな負担をもたらします。

1970年の5thアルバム『Morrison Hotel』では、これまでの作品とも違ったアプローチの作品でした。レッド・ツェッペリンなどのイギリスのブルースを基調としたハード・ロック・バンドの台頭を受けたためか、ブルース色が濃く出たアルバムとなっています。さらに1971 年にリリースされたジム在籍時の最後のオリジナル・アルバム『L.A.Woman』では、前作の路線上ではあるのですが、イギリスのブルースではなく、よりアメリカ的なアプローチによる新たなブルースを生み出しつつあるように思われました。そんな時期にパリで休暇中のジムが、ヘロインの過剰摂取により、1971年7月3日に帰らぬ人となりました。満27歳でした。

後に、ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリンなどのロック・スターも同じ27歳で亡くなっているため、27クラブとも言われたものでした。(奇しくもブライアン・ジョーンズなどは、没年こそ違いますが同じ7月3日が命日となっています。)
1970年末から巻き起こるパンク・ムーヴメントにも大きな影響を与えたと言われるドアーズですが、このジムの悲劇的な死により、ドアーズ/ジム・モリソンもロック・レジャンドの一つとなったのです。
ジムの最後のアルバム『L.A.Woman』のラストに収録された曲「Riders On The Storm」が良き時代のドアーズを彷彿とさせる演奏だったことに、今は何故か安息を感じているところです。