ジョージ・ハリスンのSquierストラトキャスター(その2) | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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昨日に続いて、ジョージ・ハリスンが所有していた、フェンダーのサブ・ブランドSquierのストラトキャスターの話の二回目です。

フェンダー社は当時ロンドンに、フェンダー製品のプロモーション・オフィスを構えて、ヨーロッパのフェンダー・アーティストのケアを行っていました。そしてフェンダーのサブ・ブランドであるSquierのストラトキャスターをプロモートするために、フェンダー・ヨーロッパ・オフィスのアーティスト・リレーション・マネージャーであったジェイミー・クロンプトンが、ジョージにこのギターを贈ったのです。

これには前日談がありました。実は息子ダーニのために、ジョージは日本製のSquierブランドのタバコ・サンバーストの1950年代モデルのストラトキャスターを買い与えていたのです。しかしジョージは、その音の良さに驚き、その後実際にステージでもそのSquierのストラトを使用しています。ジョージがこのギターを使用したのは、1987年のプリンストラストでのこと。
これに気を良くしたのがフェンダー・ヨーロッパ・オフィスのクロンプトン氏でした。こうしてジョージとのコンタクトの結果、新たにギターを製作することになったのです。

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(ジョージが実際に使用していたSquier Strat)

ジョージに届けられたSquierのストラトは、L-036415というシリアル・ナンバーが割り振られたギターでした。このギターは、当時フェンダー・ジャパン製品を一手に製造していた日本のギター工場、フジゲン(旧社名;富士弦楽器製造株式会社)において製造したものです。
1985年から1990年代当時のフェンダー・ジャパン製品には、最初にアルファベット1文字、その後に6桁の番号が振られていましたが、シリアル・ナンバーの最初の文字に「L」が使われたのは1991年から1992年までであり、続く数字が比較的若いために、このギターが1991年製であることが判ります。

その仕様はジョージ・ハリスンの好みに沿って決められたもので、ヴィンテージ・スタイルのスモール・ヘッド/メイプル・ネック21フレット/3シングル・コイルをマウントした3プライのミント・ピックガード/2点支持の新型シンクロナイズド・トレモロ/ボディカラー黒、という内容でした。
当時の記録によると、イギリス向けに製作され、シルバー・シリーズの名称で限定販売されたようです。

後に、ジョージが敬愛するイギリスのコメディアン、スパイク・ミリガンに、ジョージからこのギターがプレゼントされています。

この続きはまた明日。