先週観た映画たち(その70)/『ゼロ・ダーク・サーティ』『草原の椅子』 | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

ハンドメイド・エフェクター・ブランドBOOROCKS(ブロックス)のスタッフによる、音楽(BEATLES & Fender)と映画の気ままなブログ。

『ゼロ・ダーク・サーティ』
$John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!
「ハートロッカー」の時も思ったのですが、このキャスリン・ビグローという監督はどれほど才能を持って生まれた人なのか!本当に魅せられてしまいました。何しろ、2時間半を超える長尺にも関わらず、全編に緊張感がただよい、それが最後まで持続するのですから。もはや「ハートロッカー」を超えています。
CIA情報分析官の女性が執念でビンラディンの居所を突き止めて、暗殺計画を実行するまでが描かれますが、我々観る者は結果を知っています。その上でこれだけ惹き込まれる映像を作ることがどれほど大変なことか・・・。徹底したドキュメンタリー的な手法でリアル感を増大させ、さらにストーリー上で、CIA内部や米国政府内部での官僚や閣僚の保身主義との確執等を織り込むことにより、エンタテイメントとしても完璧な仕上がりを見せています。
今年の映画のベスト候補が出てまいりました!

『草原の椅子』
$John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!
悪くはないですが、まず尺が長過ぎます。この内容でしたら十分に120分以内に収められたはずです。前項の『ゼロ・ダーク・サーティ』のように、必要な長さであるなら問題ないのですが、中弛みが見られましたので、やはり演出/編集の問題だと思われます。また、話の成行きに不自然さが漂い続けていて、「作り物」感が強かったのですが、もう少し脚本上での工夫が欲しかったと思います。さらに演出面でも、あれほどしっかりとした大学生の娘が、あんな見るからに挙動不審な男の面倒をみるのかなど、突っ込み所も多くありますが、子役の男の子がまあ本当にカワイイ。その部分で随分と得をしたかな、と感じました。しかし、小池栄子のエキセントリックな母親の演技は、物凄かったですね。まあ文句ばかり書いてしまいましたが、話そのものはリアル感こそやや欠けていても、変わった内容だったので、まずまず楽しめました。