仲間は見捨てない。怪我をして線路の上から動けない犬のそばで自らを危険にさらしながらも2日間守り抜いた犬。
犬はどんな状況にあっても仲間を見捨てたりしない。そんな話がネット上ではよくあげられているが、またしてもここに、新たなる伝説を作り上げた犬がいたようだ。
先月12月25日、ウクライナのウージュホロドの動物救助隊の元に、線路の上に2日間もとどまっている2匹の犬がいる、という連絡が入った。すぐさま駆け付けたスタッフたちが見たものは、怪我を負って線路の上から動けなくなていた1匹のメス犬と、彼女に寄り添うようにしてそのそばを離れない1匹のオス犬の姿だった。
それは胸がつぶれるような光景だった。この線路は現在も使用されていて列車が通る。
そしてついに列車が来た。オス犬はメス犬の身をかばうように身をかがめ、列車が通り過ぎるのを線路の中央で2日間もやり過ごしていたのだ。自らは逃げることができるにもかかわらずだ。
Dog love Denis Malafeev
厳しい寒さの中、線路で生き延びていた2匹の犬
この映像は救助隊の一人、デニス・マラファエフがFacebookに投稿していたものだ。オス犬は動けないメス犬から決して離れることはなかった。常に彼女の体を暖めようとしていたという。
列車の音に気が付くと、メス犬の身をかばうようにその隣に横たわる。
2匹は共に頭を地面に押し付ける。
列車通過中ずっと列車の下で身をひそめる2匹。
オス犬は逃げることもできる。だが自分もメス犬と共に列車の下で待機する。
12月にもなると最低気温がマイナス10度以下にもなるウクライナで、2匹は2日間もこんな過酷で危険な状況を生き延びていたのだ。
無事救助された2匹、そしてついにハッピーエンドへ
一刻も早く彼らを助けなければ!
危険な状況を目の当たりにした救助隊はタイミングを見計らって線路の2匹に近づいた。だが彼らは見知らぬ人間への警戒心が強い。オス犬はメス犬に守ろうと必死に吠え、人間を近づかせることを拒む。その作業は容易ではなかったが、なんとか車に乗せ速やかに動物病院に運んだ。
幸いなことに2匹はまもなく元気になった。怪我をしていたメス犬はルーシー、オス犬はパンダと名付けられた。
予防接種も済ませた。そして施設の人々と触れ合っていくうちに、徐々に人間に信頼を置くようになった。
そして念願の里親希望者が現れた。
ある男性にペアで引き取られたという。