人に愛されるということは・・・・こんなにも素敵なんだと・・・
心が温まるケースに出くわしました。
ナースコールを押してくる間隔が5分と開けられない患者さん。
ナースコールが鳴って訪室して、依頼されることをした後で私は退室するんですが・・・
短い時で、立ち去ろうとする時には、既にボタンを手に持っていて目の前で押されたりする。
こういうケースは別段珍しくもなく・・・ボタンを押してくるには、それなりの理由があるんですよね。
その理由を知らばければ・・・他に業務がたくさんあるわけですから、頭を抱えてしまう原因にもなるのです。
入院初日に、受け持った時・・・・
最初は、正直ビックリしました。
コールがあって、訪室すると「お願い。私、○○が出来ないの。」
「いいよー手伝うよ。」と言って、依頼されたことを介助する。
介助後に、部屋を出ようとしたら・・・・
「あーん。待って。行かないで。」
「どうしたの?」と聞けば「お願い。私、○○が出来ないのよ。1人にするつもり?」
「いつでも、用事があったら呼んでくれていいよ。」と立ち去ろうとするんだけど、離れることは許されない。
こうなったら、とことん付き合おうと、他の業務を気になりながらも、付き合うことにしています。
ナースコールの本当のサインが知りたいから。
こんな時間を数時間過ごしたでしょうか・・・・
「グスン・・・うえ~ん。」いきなり、泣き出してしまいました。
泣いた理由がわからなくて、そばにいっても、泣きじゃくるばかりで、聞けば聞いたで鳴き声が大きくなる。
これだと・・・さすがに限界だな・・・って思った時、院内からかけられる携帯電話を同僚に持ってきてもらいました。
御自宅の電話番号を同僚に調べてもらい・・・患者さんの目の前で直接電話をかけさせていただきました。
「なんとかしてあげたいんですが・・・泣きじゃくってしまうので、理由がわからなくて、どうしてあげると一番いいのか教えて欲しいんです。」と御家族に相談をしました。
御家族が言うには、病気になってから・・・寂しがり屋の一面が極端に出てしまい、1人にしたことがないという事でした。
その御家族の話を伺っていると、今回が初めてじゃないようでした。
私としては、直接、御家族と会話でもすれば、少しは気持ちが落ち着くのではないかと思い、電話を替わろうとしました。
その時、御家族がこう言いました。
「彼女が一番喜ぶのは大丈夫だよ・・・って声掛けなんです。泣いても騒いでも、御迷惑かけるかもしれませんが、見捨てずに優しい声で大丈夫、大丈夫と繰り返し繰り返し言い続けて下さい。」
という言葉でした。
本来ならこういうケースの場合・・・・本人が安心出来るならば、御家族の付き添いなどをお願いするのですが・・・なんとなく、今回は、御家族の言葉を信じて試してみることにしました。
泣きじゃくる患者さんを前に・・・
「泣かなくても大丈夫だよ・・・・そんなに悲しい顔しなくても、一人にしないよ。」と。
「本当?本当に本当?」と言うので・・・
「うん。24時間ずーっとって訳にはいかないけど、私が勤務の時間は一人にしないよ。」
と伝えた時・・・・
急に笑顔になって「ウフフ・・・」と笑い始めました。
結局、その日の勤務は、詰所に戻ることはなく・・・・
この方のそばに、パソコンを運んできて、仕事をすることにしました。
仕事を終えた後・・・再びコールが何度もあるんじゃないかと、気にかかりましたが、押されることはありませんでした。
翌日、この一連の出来事は、スタッフにありのままを伝え、関わり方もみんなで考えていこうという流れに。
ところがですね・・・・コールを押すという行為・・・・
不思議なことに昼間も一人になることがありながら、昼間は全くなんですよね。
むしろ、昼間は、一人でも普通に過ごせたりする。
それはそれでいいんですけど・・・私としては何故かひっかかりました。
入院期間は、長期となる事が予測されるので・・・ちゃんとした対応を考えたいな・・・と感じていました。
数日後・・・
御家族が見えて、「この間は、夜分遅くに突然の電話驚かれたでしょう?申し訳ありませんでした。」と謝罪しに行くと・・・
「いいのいいのーいつものことなんで。」と笑顔で返してくれました。
御家族が本人のそばに近付き・・・・
御家族「昨日は、電話ありがとうねー。寂しかったんだろう?とってもとっても嬉しかったよ。」
本人「うふふ・・・」
御家族「僕はねーああやって、電話をもらう度に思うんだ。君に本当に頼りにされているんだなーって。
君の愛情をひしひしと感じたんだよ。男冥利に尽きるよね・・・・あぁ・・・愛されてるって、今日は
早く顔が見たくて、すっ飛んで来たんだよ。」
本人「まぁ・・・あなた嬉しいわ。私、あなたをいつだって愛してるのよ。」
そばで聞いていると、なんだかそのやりとりがとっても耳にくすぐったくて・・・・・
だけど、とっても喜んでいる本人の顔を見ていると、今まで見たことのない笑顔で・・・
なんだか心が温かくなるようでした。
想像してみてください・・・
このやりとり・・・80代の老夫婦の会話なんです。
二人を見ていると、肉体的には年老いても・・・・いつまでも変わらない愛情を与え合う二人・・・
これだけ、愛情を注がれたら・・・・本人にとって御家族と離れるという現実は、身体の一部をとられたのと同じ感覚なんじゃないんでしょうかね・・・。
それから、数時間、二人のラブラブな世界観が続きました。
手を繋いだり、爪を整えてもらったり、髪をといてもらったり・・・・・
一日の出来事、遠く離れたお子さんたちの事・・・本当、時間がいくらあっても足りないくらい喋り尽くしてました。
で・・・・御家族の帰宅後に・・・・
5分間隔のナースコールが始まるという・・・・
御家族に変わる事は出来ませんが、出来る限り寂しい思いをさせないようにと・・・・
しっかりケアしていきたいと思いました。