性と十九三の話にドキリ
…小林○美さん?
プレミア公開の写真を見たとき、
髪の長い後ろ姿の女性を見て思った。
潮風になびく長い髪。かすんだ色合いは、
彼女との遠い昔の記憶の断片。
日焼けして色褪せた写真のような記憶。
ひとつひとつ思い出しながら、
フィルムに起こしているかのよう。
かすんだブルーは、水の底に沈めたふたりの色。
映画タイタニックの始まりの、
沈む前と、沈んだあととの交差する映像が、
不思議と脳裏に浮かんで消えた。
曲の漂う感じ、浮遊する感じが心地よい。
まるで、水の中にいるような錯覚。
水の底から曲を聞いているような気分。
コポコポする音は、海面へ浮上してゆく泡のよう。
ラジオから流れる音を聴きながら、
ゆっくり瞼を閉じると、
そこには寄せる波が見えた。
この光景はシンクロだ
明け方に目を覚ますと、映像が見えた。
寄せては返す波。
裸足で砂浜を歩く足元に見えた波。
渚の曲は優しく、
寄せては引いていく波そのものだった。
曲が終わるとCMに。
寄せては引いてく波動から一転、
ぐちゃぐちゃな動きに変わった。
渚な曲はまさに海そのもの。
海の底に沈めたふたりの記憶を、
音という欠片で再現している曲だと思った。