とても久しぶりの投稿になってしまいましたが…

先日、卒業研究発表会と卒業制作展を終えることができました!

記録として研究についてまとめていきますダッシュ

 

「空間を充実化させる出窓の提案」と題して、既存の出窓に対するマイナス面の克服とデザインや機能における新たな付加価値の付与により、空間の充実化を可能とする出窓の提案を目的としました。

 

一般的に出窓とは、「外に対して壁から張り出した造りになった窓」として捉えられています。これに加え、建築基準法により、➀出窓下端の床面積からの高さが300mm以上。②周囲の外壁面から水平距離が500mm未満(張り出している奥行き)。③出窓の見付け面積の1/2以上が窓である。以上の3点に該当する出窓は床面積に算入されないとされています。

これを踏まえて、本研究における出窓の定義を定めました。

「外に対して壁から張り出した造りになった窓」に加え、以下の図に示した条件を満たすものを出窓と定義付けます。

外に張り出している部分よりも基準壁面(外壁)が大きいことを出窓成立の条件とすることで、設置高さに関しては条件を設けなくても出窓として成り立つことを示します。

1970~1980年代に普及した「出窓」は現在も多くの一般住宅で見られます。しかし、現状として、サッシメーカー各社では製品としての取り扱いが減少しています。その一方で、前期に行ったアンケート調査では出窓に対して一定数の需要があることが明らかとなりました。中でも人が入り込む(座る・寝る等)活用方法に対しての関心が高いという結果が得られました。この調査結果を提案に組み込んでいきます!

 

事例調査やアンケート調査から、出窓が持つ機能と魅力を抽出しました。

出窓の魅力として主に以下の3つがあげられます。

➀装飾性 ②天板の活用 ③窓面の自由さ

また、サッシメーカー各社で出窓製品の取り扱いが減少している要因についてサッシメーカー2社にヒアリング調査を行いました。

結果として主な要因として、①断熱性の低さ ②価格、施工面でのコストの高さの2点が相互作用し、製品展開が停滞する状況となっていると考えられます。

しかし、現状として、出窓に対しての需要があると分かったことから、機能性や実用性としての新たな付加価値を与えることで新たな展開を示していくことが可能であると考えました!

これらを踏まえて、空間を充実化させる出窓として、製品規模4タイプと造作規模3タイプの計7タイプの出窓を提案します!

まずは製品規模の4タイプです!

コンパクトタイプ:ディスプレイの場や装飾窓とすることのできる小規模な出窓です。複数組み合わせて設置することが可能となっています。

ロングタイプ:一方向に長さを取った出窓です。縦で魅せる装飾として活用します。

ディスプレイタイプ:外への立体感を持つ出窓です。三角形に張り出すことでより外からの見え方を意識した出窓です。

デスクタイプ:天板部分での机作業を想定した出窓です。窓面の設置個所の工夫により、手元に集中的に採光を確保しました。

 

次に造作規模の3タイプです!

造作規模の窓部分には、既存製品の設置を想定しています。これにより、今回の提案をモデルとして住宅に合わせた出窓へと応用することが可能となります。

窓に対して横向きに入りこむ:机作業のための個人ブースとして集中することのできる空間を意識しました。

窓に向かって入りこむ:1つ前の出窓やデスクタイプよりも机面積を大きくすることで作業域を広く設定しました。弓型の窓により、明るさと使っていない時には空間のアクセントとなる装飾性のあるデザインを目指しました。

窓を背にして入りこむ:窓辺でゆったり過ごすことを想定し、窓に沿ってカウチを設け、座るだけでなく寝転ぶことのできる出窓としました。

 

以上の計7タイプの出窓を、空間の充実化を可能とする出窓として提案します。

今回の提案をモデルとして、生活の中で目的をもって活用できる1つの空間として、出窓が様々な場面で選択されるようになることを期待します。

 

また、本研究を通して出窓が今後さらに発展していくことの可能性があることを示すための補足資料も併せて見ていただけると嬉しいです!

 

今回は、研究についてひと通りまとめてみました!

卒業制作展当日の様子は改めて投稿します!

 

読んでいただき、ありがとうございました!