いよいよトリを飾るホールド部門である。

使用されるのは握撃ホーン。



直径50mmの筒を掴んで規定の高さまでリフトする種目だ。


このホーンは前回のバスターから一気に重量が上がる。

握力関係で最も重さを扱えるホールド部門、やはり見た目にも「ヤバさ」が伝わりやすく、盛り上がる。


しかしながら私にとってはこのホーンが鬼門。

今大会に向けトレーニングに組み込んでいたのだが、80kgがちょい浮きするくらい。

強い人は90kgを軽く超えてくるこの種目においてちょっと頼りない…


先の2種目で既に作戦としては大成功。

あとはクラス優勝に向けてしっかりと記録を残すことを心がける事とした。


第1試技は確実にリフト出来る65kgを申請し、問題なく成功。


これで記録なしは無くなった。

続く第2試技はジャンプして75kg。

普段ならギリギリどうかという重量だが、大会の雰囲気に背中を押されここも成功!


そして最終試技。

最後は80kgと85kgで迷った。

今日の調子なら80kgはリフト出来る可能性が高い。85kgは浪漫を求める冒険だ。


うーん、85kgで申請!笑


そして遂に楽しかった大会も最終試技。

どうせなら最後を決めて締めくくりたいところだ。


ホーンを力の限り握りしめてリフトしにかかる。

地面から浮き上がる85kg、いけるか!?と思ったが最後は力不足で規定の高さまで引き上げられず…無念!!


ホーンは75kgという記録で今大会を終えた。


これで自分の全試技が終了。


好きな事に真剣に挑戦するひたすらに楽しい時間が終わりを告げた。


このホールド部門、-19クラスを制したのは握撃さん。今大会は怪我明けながら流石の底力である。

私は3位。

大会という波に乗せられ、思っていたよりは大分健闘出来た。

が、次回大会までに強化は必須。

しっかりとトレーニングしなければ。


これで最終的に私が合計124ポイント。握撃さんは110ポイント。

作戦通り前2種目のポイント差をいかして逃げ切り勝ち。

公式大会という場で初めての優勝が決まった。



この部門で全体の最高値を挙げたのが陸上の投擲選手として活躍されているOさん。

その記録、なんと驚愕の


110kg!!


私がやると手首が吹っ飛んでいきそうな重さだ。


Oさんは無差別で行われた第1回握力王大会の優勝者で、今大会でもクラッシュ部門、ピンチ部門ともにクラス2位の超実力者。

投擲選手、恐るべし…


ホーンは扱える重量が重いこともあり、見た目の派手さは握力競技随一。

パッと見て分かりやすいのもあり、やはり盛り上がる。見ている方も楽しくて大会のトリを飾るに相応しい種目だ。


が、裏方さんは大変。

プレートの付け替えで大変な体力を使ったことだろう。1番大変なのは選手ではなくプレート付け替えや下準備をして頂いた方々で間違いない。


本当にお疲れ様でした、そしてありがとうございました。


次回、「表彰、そして閉会。」