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フェルメールの小部屋 The Art of Painting

フェルメールの絵の謎解き(解釈)ブログです。

先回、上から塗りつぶして別のものを描いた作品が多く、何故はじめに描いたものを塗りつぶした上に、別のものを描いたのか? 
 
に対して、「絵画芸術」と「信仰の寓意」の作品の解釈によって、下に描かれているものは、上に描かれているものの過去であり、下に描かれているもの(はじめ)と、完成したもの(最後)を見ることによって、その作品にどのようなストーリー(時間の経過)をもたせて描いたのかを想定することができる。という話をしました。
 
それで、国内、海外のフェルメールのX線に関する情報を探しまして、下に別のものが描かれている作品は、今のところ以下の作品になります。

建物の影の長さ、人物、衣類、楽器、ワイングラス、椅子、画中画、地図などと、塗りつぶして描き直したものは実に様々です。
 
この中で、過去と現在のストーリーを紡ぐのに、建物の影の長さ、人物、衣類、楽器、ワイングラス、椅子、画中画は想定しやすいのですが、難関は壁の「地図」でした。
 
まず壁に「地図」が描かれている作品は以下の10点。
①~⑩の番号は、完成した状態からみて、地図の状態が大きく、また繊細に描かれている順に番号をふってます。(③と④は似ているので順は適当です)
 
この内、地図を描き直ししているのが、「④青衣の女」「⑤水差しを持つ女」「⑨牛乳を注ぐ女」「⑩真珠の首飾りの女」の4点となります。

④の「青衣の女」は、はじめに描いた地図から、わずかに地図を大きくさせています。
⑤の「水差しを持つ女」は、逆にはじめに描いた地図から、小さくさせています。
⑨の「牛乳を注ぐ女」は、地図そのものを完全に塗りつぶして壁にしています。
⑩の「真珠の首飾りの女」も、地図そのものを完全に塗りつぶして壁にしています。

 

フェルメールの作品に描かれた地図に関しては、何年に誰が制作したどこの国の地図だとか既にいろんなサイトで解説されています。
ただ、その地名や年代といったものが、絵の人物たちとどう結びつくのか、どうもピンときません。
 
「青衣の女」の服装の変化は季節が変化したとみえるが、地図をわずかに大きくさせたのは何故か?

 

「真珠の首飾りの女」は、楽器だけでなく、何故地図を全部消したのか?

 

「恋文」の地図は、なぜ暗く汚れた壁に掛かっているのか?

 

「眠る女」も、地図はわずかにしか見えず、どこの地のものとも判りません。

 
仕事中も食事中も運転中も、フェルメールの絵のことが思い浮かび、自宅のパソコンはダブルモニターなので、両画面使ってフェルメールのそれらの絵をただ眺めてばかりいたもんだから、パソコン貸してよと近づいてきた子供に『ダヴィンチはやめたの?』と言われました。
 
確かにここんとこフェルメールばっかりだなって思った時に、自分の頭(心)が、ダヴィンチを隅に追いやり、フェルメールで占められていたことと、フェルメールの地図とがリンクされたのです。
 
心に領域などつけられるものではないでしょうが、四角枠が自分の心の領域だとしたら、日々の日常とともにダヴィンチがあったのですが、フェルメールの絵に関心を持ったあとは、フェルメールのことでいっぱいになってしまったわけで、図にするとこんな感じ。

 

つまりフェルメールの絵でいうならば、
壁が心の領域で、地図はその人物が対象者(異性)を想う心を寓意として表現したものだと解釈するに至ったのです。
(※寓意(ぐうい)とは、ある意味を、直接に表さず別の物事に託して表すこと。)
 
 
壁が心の領域で、
地図はその人物が対象者(異性)を想う心
の寓意だとすれば・・・。

 

「青衣の女」は、はじめは裾にモフモフのついた服の季節に手紙をもらいます。壁の領域を半分ほど占める地図ですから、女性は男性のことを想っています。
 
季節が変わるころ、再び手紙をもらいます。壁の地図がわずかですが大きくなっているということは、女性の心の中で男性への想いがさらに膨らんだということで、その手紙の内容は、女性にとって良い内容なのだと想像できます。

 

「真珠の首飾りの女」は、はじめは手前の椅子に楽器、壁には地図がありました。
楽器は男性と奏でて楽しむためのもので、好きな人のために鏡を見ながら装っている。しかし恋は長くは続かないのか、フェルメールは楽器と地図を消してしまいます。
男性への未練などなく、きれいさっぱりと忘れ、次の新しい恋にむけて自分を装っている、強い女性の姿と想像できます。
 
こんな感じで、地図の大きさや状態、壁と地図との割合、壁の状態を見ていくと、その人物が異性をどのように想っているかが想像しやすくなります。

 

フェルメールの絵を見るポイント③番目は、画中画と壁にかけられた地図の大きさと状態をみることです。
 
壁が心の領域で、地図はその人物が対象者(異性)を想う心を寓意として表現したものです。
 
画中画に関しても、大きさや壁の領域に関することは地図と同様ですが、画中画は絵の内容に意味があります。

 

それはまた別の記事で。