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フェルメールの小部屋 The Art of Painting

フェルメールの絵の謎解き(解釈)ブログです。

フェルメールの『窓辺で手紙を読む女』は以前から、X線で見ればキューピッドの画中画とワイングラスがカーテンと壁の下に描かれていることは知られていました。
『もっと知りたいフェルメール生涯と作品 改訂版』小林頼子著 東京美術
こちらは、とても読みやすく解説されていてオススメの書籍です。
上記書籍の26ページにもX線の記事があります。
 
先日5/9のニュースによれば、
キューピッドは、1979年にX線の調査で判明していたが、今回の調査で天使と壁が描かれた時期に数十年の差があることが新たに判ったそうで。つまりフェルメールの死後に何者かに上塗りされていたと。美術館によれば、まだ無名だったフェルメールが亡くなった後、当時の大人気画家・レンブラントの作品風に見せようと、誰かが「上塗り」したと考えられるとのこと。
 
それで上塗りされた壁を取り除き、フェルメールがはじめに描いたキューピッドが見える状態に修復作業中といったものでした。

 
今回の調査と修復に関して疑問なのが、トロンプルイユの緑のカーテンは誰が描いたのか?ってこと。
 
 
フェルメールが生涯の作品数30数点に対し、レンブラントは600~1000作品とも言われています。なぜ数にこんなに開きがあるのかというと、レンブラントの弟子の作品もレンブラントの作品とされてきたらしいからですが、詳しくはググって他のサイトをご覧になってください。
 
海外の絵画サイト「THE ATHENAEUM」でレンブラントの作品として約700点、
「WEB GALLERY OF ART」で約500点、ネットから見ることができます。
この2サイトで大半は作品が重複していると思いますが、レンブラントの作品をまとめて見るにはオススメのサイトです。
 
上の2サイト内のレンブラントの作品を見ましたが、トロンプルイユのカーテンがある作品は以下の2点だけでした。(※まだ他にも存在しているかもしれません、自分がネットでみつけることができたのは2点だけということです)
 
 
数が少なくても影響力はあったようで他の画家も、トロンプルイユのカーテンを作品に描いていきます。
 
以下はカーテンをまくりあげるタイプ

 

「窓辺で手紙を読む女」がレンブラントの作品風に見えたというのは、キューピッドの画中画がある無し以上に、レンブラントが描いていたトロンプルイユのカーテンがあったからだと思うのです。
 
では、「窓辺で手紙を読む女」の
トロンプルイユのカーテンは誰が描いたのか?
 
1979年のX線調査の結果から復元された最初の構図では、カーテンの下にもキューピッドの画中画がある。
東京美術の書籍による復元図からは省かれているが、カーテンの裾の背後にはワイングラスが描かれていることは上のX線画像でも判る。
 
これまでは画中画とワイングラスを、壁とカーテンで上塗りしたのはフェルメール自身と考えられてきたのですが、先日のニュースにあるように、最近の調査によって壁部分は数十年の開きがあってフェルメール以外の誰かがレンブラント風に見せるために上塗りしたものだとされたのです。
 
で、カーテンは?
 
カーテンも壁と同様に数十年の開きがあって別人が描いたものであれば、壁と同様に取り除いて、フェルメールの描いたキューピッドの画中画を完全に表に出すべきじゃないのか?ワイングラスも出てくるぞ!
 
それともカーテンは、キューピッドの一部とワイングラスを上塗りするためにフェルメール本人が描いたものだということなのだろうか?
 
緑のトロンプルイユのカーテンを描いたのはフェルメールか?
壁と同じく別人が描いたのか?
 
 
何故、何度もしつこくカーテンにこだわるのかと言えば、自分はフェルメールの作品全体を見て、X線で見える下の絵にも意味があると解釈しているので、フェルメール本人がカーテンを描いたか否かによって「窓辺で手紙を読む女」の解釈が変わってくるからです。(手前勝手な理由ですみません)
 
とにかく今の日本のニュースではカーテンに関する情報はない。
今後のドレスデンの美術館・専門家による、新たな情報が待たれます。