義賊は権力者の陰謀により生まれた?日活ロマンポルノ「性盗ねずみ小僧」長谷川和彦脚本・曽根中生監督 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。
 
 
昨日の20時に勤務を終え、月曜日20時の始業時迄の休みです。今週の初めは二ヶ月程早い春が来たのかと勘違いする温かさだったのが一転雪景色となった秋田市内です、雪寄せが必要な積雪量ではありませんが…そして俺が今悩んでいるのは、職場の相棒が並行作業が出来ぬ事。民間企業は「最小の人員・経費・時間で最大の利益を出す」「手空きを有効に利用し4つ5つの作業を並行して進める」「5歩6歩先を見る」が大鉄則ですが同年代かつ職人経験はほぼ同じ年数ながらその意識もなければ全く出来ない(目先の事しか見ぬ上に先の状況が解っていても準備すら出来ない、等々)上に意識を一般常識論・組織論に変えようとすらしない。まぁ派遣社員同士ですから勝手な判断は出来ませんので正社員の場長に相談しながら遣ってはいますし動いて貰える状況を作り出したりもしているものの当の本人が頑固かつ気付きもせず俺を含め周囲は負荷が増える一方でどうにかならんモノかと。「思い遣りが第一・出来ない者に合わせる」との考え方もありますがそれはあくまでも義務教育やお稽古事での事で利益を追求する民間企業では限度もあれば甘くばかりもしてられないのが現実、資本主義社会の基本から教えるしかないのかなぁ。因みに「軍歌を聴かせて東映の任侠映画を鑑賞させればいいのでは?」と提案したら一発却下されました「現状に合わないしもし派遣会社に知られたら騒動になる可能性も否めない」と!名案だと思ったのですがねぇ。
 
 
さて本日は此方の作品を…DVD化作品でAmazonプライムビデオ/U-NEXT(見放題対象作品)に於いて有料動画配信が行われています。脚本は「太陽を盗んだ男」の長谷川和彦!
 
 
「性盗ねずみ小僧」昭和47年1月29日公開・長谷川和彦脚本・曽根中生監督・日活制作。
 
 

 

 

或る日、義賊との疑いをかけられ投獄された五條博…五條さんは大飢餓に見舞われた為に水呑百姓の両親と妹を故郷に残し江戸に丁稚奉公に出、艱難辛苦に耐えて数年後に戻ってみると両親は他界し妹は身売りされていた事を知り再び江戸へ。しかし酒と博奕に溺れ夜這い強盗を働く、刺青を背負ったチンピラに成り下がります。そして刺青を入れた際に出逢った無宿者で武家女中の小川節子と恋仲となっていた森竜二と意気投合し付き合いが始まり「富が一握りの者達に集中するから庶民は苦しむ。その金を盗み出して散蒔いても…」と云う森さんの一言で五條さんは鼠小僧となり一躍庶民の英雄となりますが、実は森さんは「父親の勘当を解かれ、更には将来が約束される」との老中の指図の元で動いていた遠山景元(=遠山金四郎)でありその策略にまんまと嵌っただけ、しかも小川さんを自らの為に五條さんに近付けた所…

 

 

 
 
ロマンポルノですから津軽美人の小川さんが筆頭クレジットかつ終盤で重要な役割を果たしてはいるものの、実質主演は五條さんで森さん・小川さんは助演と言ってもいいです。しかしこの二人の助演が中盤・後半で物語を面白くする重要な鍵を握っている!一般的な遠山景元の印象を覆す見事な演出や「もしや…」との予感を促す場面は比較的早い段階で登場するものの、それが判明する場面の喜劇性・悲劇性の両立は文句無しですし単純な展開ながらも力強い!そして、ニュース速報を挿入する等々の現代感覚を時代劇に取り入れる手法は東映・松竹の時代劇映画で既に存在していましたが、それに留まらず「史実や人物像・一般的な解釈を完全に無視して自由に面白い脚本を作り上げた長谷川監督の発想力の広さと深さ、及び自由度を最大限に生かせるロマンポルノだからこそ成立した作品」と改めて感じます。