皆様、おはようございます。
昨日は夜勤専属者が家庭の事情で有給休暇を取得した為、15時から24時迄の変則勤務となり、明日11時の勤務開始時迄の休みとなりました。非常に過し易い気温で、久方ぶりに冷房に頼らず過ごせる一日となるでしょうか…否、湿度が高い為、やはり頼らざるを得ないでしょう。この記事を打ち込み後洗濯・掃除をし、仮眠を取ろうかと考えていますが、休日は気持ちが高ぶり案外と寝られないモノなんですよねぇ…
さて本日帰宅後、YouTube内「東映時代劇YouTube」で7/31(日)23:59迄無料動画配信されている作品を鑑賞しました。尚、当作品はDVD化済みで、複数の有料動画配信サイトに於いても提供もされています。
「怪猫呪いの沼」昭和43年7月12日公開・石川義寛脚本/監督兼任・東映京都制作。
鍋島家の怪猫騒動の伝説を元とした「怪猫佐賀騒動」が原点には在るものの、それの中心人物である鍋島光茂ではなく、内田良平が扮する鍋島直茂が後に家老となる名和宏を従えた謀反により龍造寺家を乗っ取る場面から始まります。その際、内田さんの求めを拒絶した岡田千代が愛猫と共に沼で入水自殺を図ったものの遺体は発見されず時は十数年後…岡田さんの魂を鎮める為の花火を見物中に見初めた里見浩太郎(現・里見浩太朗)との婚姻の日取りが決まっていた御影京子をモノにしようとして拒絶された上に、里見さん・御影さんと実父・松村達雄の三人を惨殺する結果に!更には内田さんに対し謀反を起こしお家乗っ取りを画策していた名和センセイが実妹・三島ゆり子を内田さんに差し出し機会を狙おうとしましたが自害!
大まかに先述した「三つの事件に於ける三人の女の悲劇的な最期」岡田さんと共に入水しながらも発見されていなかった愛猫が「岡田さんの生まれ変わり」として中盤に再登場し「岡田さんの意を汲みながらも御影さん・三島さんの血も舐める事で三人の怨念をじわりじわりと効かせて苦しませ、最後は風船が一挙に膨らみ破裂したかの如くの怒りで追い込んだ」と言うのが適切かつ解り易いのではないかと…何れにしても「見境の無い女狂いの内田さんに運命を狂わされた女達の怨念が段階的に積み重なり、徐々に内田さんを精神不安定に追い込む事で側近や女中達だけに留まらず、愛息子迄をも手にかけさせ一族はおろか周囲の人物迄をも葬り去る事こそが犠牲者を弔い魂を鎮める最善の手段」と主張している様にも見えます。
内田さん・名和センセイに仕える菅原文太や里見さん達の行動等々を密告し金銭を授受するならず者の沼田曜一等々の起用は新東宝出身の石川監督らしさを感じますし、中川信夫監督作品の助監督や脚本を手掛けられていた実績等々も十分過ぎる程生きている傑作ですが(因みに文太さんの起用に関しては東映移籍後も仕事に恵まれているとは言えなかった事情を察して石川監督が役を作ってあげたとの話を何処かで見聞きした記憶が在ります)内田さんに対し恨み辛みは無いものの怨念が乗り移ってしまった日向の局こと八代万智子の怪猫芝居は見物!「こんな美しい怪猫がこれ迄に居ただろうか?」と感じる程美しいだけではなく、アクロバッド描写及び残虐描写があっさりし過ぎずしつこ過ぎず、しかもパッと見せて即座に次の場面に移行させる手法により観る側に強い印象を残す作りとなっている辺りはさすが娯楽映像作品を知り尽くした監督と言える手腕!