軌跡を知る事が出来、爽快なオムニバス作品は無い!東映京都「ちゃんばらグラフティー斬る!」 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。昨日の記事で申し上げた通り自動更新としております。

 

 

さて、先日相互読者さんの記事を拝見し「あゝ、こんな楽しい作品も在ったなぁ…」と思い出しましたが、何せVHS最末期にレンタル鑑賞してから20数年経っていた上に未だに未DVD化で有料波での放映も期待出来ないなぁと思っていたら、YouTubeに在った為久方振りに鑑賞!

 

 

初鑑賞当時は東映時代劇映画はそう多くは鑑賞しておらず、その魅力の概略を知った程度。しかもここから時代劇鑑賞を本格化しようと思ったものの、VHSからDVDへの移行期に在った上に東映時代劇作品のレンタルは期待した程取り揃えられていませんでした。観られたのは「関の弥太っぺ」「沓掛時次郎・遊侠一匹」「月形龍之介の水戸黄門シリーズ」「菅原文太の木枯し紋次郎シリーズ」「柳生一族の陰謀」等々、今日紹介する作品で取り上げられた全95作品の一摘みのみ。その後、有料波導入により2/3以上の作品は鑑賞しましたが…しかし今回この作品を改めて鑑賞し、一定数の作品を鑑賞後に観ると見えなかった物・解らなかった物が見えて来る上にまた新たな魅力を発見出来、非常に有意義な時間となりました。

 

 

「ちゃんばらグラフティー斬る!」昭和56年4月11日公開・マキノ雅裕総監修・浦谷年良構成/監督兼任・ベンガル/柄本明解説・東映京都制作。

 

 

VHS化作品ですが未DVD化で有料動画配信も行われていません。

 

 

 

 

 

 

音楽は宇崎竜童が担当をしているのですが「天性の音楽性に心底映画が好きで好きでたまらない方なんだろうなぁ」と感じさせる程、過去の映像群との相性が非常に良いのも美点!

 

 

 

 

 

戦前の作品群の映像が冒頭に登場するものの、市川右太衛門・片岡千恵蔵・萬屋錦之介・大川橋蔵へのインタビューを交えながらチャンバラを中心とした時代劇の魅力を発信している作品。

 

 

「特撮作品群の系譜は幼少者向けの時代劇作品なのかなぁ…」と思わせたり「ごった煮時代劇=江戸に根を下ろす五人の探偵(旗本退屈男・むっつり右門・若さま・遠山の金さん・一心太助)の行動を王道の流れと共に違和感無く融合させた構成」「時代劇らしい時代劇(宮本武蔵・反逆児等々)に賭けた錦之介御大の当時の想い」等々から「歌舞伎のサービス精神を踏襲した歌う時代劇の魅力」「東映城のお姫様軍団から女形に至る迄足早に辿る映像」等々、東映時代劇の軌跡の概略をきちんと掴める上にオムニバス作品でこれ程気分爽快となる作品は他には無い!

 

 

 

 

 

 

 

10年程前には「時代劇絶滅の危機」と言われ、その灯を消さぬ為に時代劇専門chがNHKや民放局では成し得ない作品を定期的に制作し時には高質で評価を得たり「太秦ライムライト」「多十郎殉愛記」の様な優れた作品が公開されたり、当作品と思考は同じであったであろう「時代劇は死なず・ちゃんばら美考学」が制作されたりと様々な努力が為されているのは幸い…そして有料波の中で契約加入件数が最も多いのは時代劇専門chとも言われています。この状況を更に好転させる意味からも、そして既に鬼籍に入ってしまった時代劇の大御所達の重みの在る発言を更に知らしめる意味からも、当作品のソフト化・有料動画配信化・前向きな放映検討等々を強く望みます。

 

 

 

 

 

 

最後に、現在YouTubeでは当作品の他に昭和57.8年頃にJNN系列「月曜ロードショー」で放映された「東映映画30年」の動画も鑑賞可能です。此方は時代劇に留まらず仁侠・ヤクザ・アクション映画群等々にも幅を広げた内容となっており、錦之介御大・橋蔵御大へのインタビューの他に「ミス映画村」の加納みゆき・加藤由美と桜町弘子・丘さとみとの対談・声のみで佐久間良子・寺島純子(=藤純子。現在の富司純子)が出演し東映専属当時の回想をされています。

 

 

尚、両動画共に削除されていた場合は何卒ご容赦下さい。