追悼・山谷初男。正業を表看板にして武器を売る!東映セントラルフィルム「俺達に墓はない」松田優作 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、おはようございます。

 

 

休み三日目…長期休暇を除いた「暦通りの三連休」は今年7月以来ですが、今年の2月末迄数年間「6勤3休→4勤2休の変則昼夜勤務」かつ、11/11以降は半年の予定で再び4勤2休となりますので、最後の一日も気儘に、思いのままに過ごします。でも「疲労回復の為にゴロゴロして、夕方から飲酒を始めて仮眠をし、夜勤に備えて夜更かし」と云う「毎週末と変わらぬ過ごし方」となる可能性が大ですが。

 

 

 

さて、既に多くの方々がご存じかとは思いますが「我が居住地・秋田県が生んだ名優」で大凡25年前からは郷里の仙北市角館の生家に於いてライブ活動を行っていた上に、つい先日もテレビドラマに出演をされていた山谷初男が10/31に秋田市内の病院でご逝去されていた事が昨日報道されました。

 

 

享年・85歳。

 

 

 

※秋田魁新報社・電子版の記事は此方から(記事の一部の閲覧が可能です。全文を読む場合は有料となってしまいますのでご注意ください)

 

 

 

昭和28年のデビューですから現役生活大凡65年…豊富な経験をこの歳迄後世に「古き良き伝統」として伝承し続けながら名演を多く見せて下さった事に感謝あるのみです。

 

 

非常に残念かつ悔やまれますが(無礼な物言いと受け止められる方々も居られるでしょうが)故郷の秋田県内で最期を迎えられた事はご本人・ご家族・ご親類等々にとっては良かったのかなぁ、と感じています。

 

 

心よりご冥福を申し上げます。

 

 

 

そこで本日は、今年生誕70年/没後30年となった松田優作と山谷さんの共演作品を…

 

 

 

「俺達に墓はない」昭和54年5月26日公開・田中陽三脚本・澤田幸弘監督・東映セントラルフィルム(現在のセントラル・アーツ)制作。

 

 

VHS/DVD化作品でDMM.com/TSUTAYA TV/Hulu/ビデオマーケット/Amazonビデオ/YouTubeムービー内に於いて有料動画配信が行われています。

 

 

又、今月の東映ch「セントラル・アーツの軌跡 特別篇 松田優作メモリアル 前篇」の枠内の一作品として本日以降、11/5(火)20:00~21:50・11/16(土)20:00~22:00に放映されます(字幕付きHD放映)。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

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●東映公式・YouTube予告篇動画

 

 

 

 

 

 

武器調達の資金を得る為にデパートで偽爆弾騒動を起こし、少年院仲間であった岩城滉一と「暴力団の資金源襲撃=ノミ行為で得た資金の強奪」を計画したものの「金庫襲撃の常習犯」志賀勝に先を越されます。

 

 

しかし、その際の殴り合いで気持ちが通じ合った優作さんと志賀さんは、襲撃先の暴力団に拉致された岩城さんを救出した後に「世界から集まる賭博ツアーの客を乗せた貸切バスを襲撃する計画」を立てたのですが…先の暴力団襲撃の際に志賀さんに先を越された事が「拉致された元凶」と思い込んでいた岩城さんは「志賀さんをぶっ殺す!」と意気込んでいた為「貸切バスの襲撃計画」から岩城さんを外して実行に移したものの、今度は「自らを外して襲撃をした事」に激怒!

 

 

更に「冒頭のデパート襲撃事件」で現場から避難をしなかった事で「現金搾取の疑い」をかけられ職場を解雇された竹田かほりが絡んで来た為「貸切バスの襲撃で得た六千万円の争奪戦」は更に壮絶なものとなり…

 

 

 

 

 

 

喜怒哀楽の激しい優作さん・岩城さん・志賀さんが奇妙な関係でくっついたり離れたり…ここに「優作さんのお家芸である粋なアドリブ」「紅一点…と云うより、見かけが女性であるのみで三人と同種!しかし「楽に富を得ようとする強かさ」では男性軍以上に肝が据わっている竹田さん」等々が良い味付けとなり、テレビドラマ「探偵物語」劇場公開作品「殺人遊戯」に準ずる面白可笑しさが在ります。

 

 

 

 

 

 

当作品での山谷さんも「面白可笑しさと迫力を更に引き立てる役柄」に配されており、当作品出演以前に数多く携わっておられたピンク映画/ポルノ映画の経験を存分に生かした様な「リリィちゃんと云う名の、生娘であるらしいダッチワイフを溺愛する大人の玩具屋の店主…しかし「裏の顔」は沖縄から仕入れたチャカ(拳銃)や、ライフルマークを削り取り足が付かぬ様に施されたライフル、ダイナマイト等々の爆破物を扱う闇の武器商人」を、場面数/総出演時間は少ないものの味わい深く熱演!

 

 

終盤では「優作さんの求めに応じてダッチワイフと共にダイナマイトを届けて、エレベーターから降りようとしたやくざを全員爆殺する切っ掛け」(先述の「口をバカッと開いた表情のリリィちゃん」にダイナマイトを仕掛けエレベーター前に置かれている場面は吹き出してしまう程笑えます!)を与えているのですから「一撃必殺に貢献した姿」は見方を変えれば当作品一の破壊力を発揮したと言えます。

 

 

山谷さんに限らず「時代を超えて観る者を惹き付け続け、愛され続ける名優」に共通しているのは「年輪(経験値)や役柄の大小・場面/時間の長短等々を問わず、どんな役柄に於いても全力で臨む真摯な姿勢を貫いている事」大好きな役者やスター級の役者を追うと同時に、同一の目線で脇を支える名優達にも目を向け続け、観続け、伝え続ける事も「鑑賞の醍醐味」「貫き通さなければならない鑑賞側の姿勢」と俺は思っています。

 

 

そう云えば、当作品の10年前に制作された東映東京「現代やくざ・与太者仁義」(降旗康男監督・菅原文太主演)では中丸忠雄が「大人の玩具屋を営んでいると、闇から闇への情報収取には困らない」と云う意味合いの台詞を放っていましたから、当作品を初見した際には「脚本担当の田中先生は「与太者仁義」の台詞を踏襲(又は「模倣」)したのか?」と思った程。

 

 

 

 

 

 

最後に、山谷さんは優作さんの遺作となったテレビドラマ「華麗なる追跡 THE CHESER」(平成元年10月7日放映、古内一成脚本、村川透監督、松田優作主演/「ソウル五輪・陸上競技」で金メダル三冠を達成したフローレンス・ジョイナー共演、セントラル・アーツ制作、NNN系列放映。DVD化作品)にも出演をされており、此方は令和元年12月の東映ch「セントラル・アーツの軌跡 特別篇 松田優作メモリアル 後篇」の枠内の一作品として、12/5(木)20:00~22:00・12/15(日)22:00~24:00・12/31(火)22:30~24:30の三回放映されます。

 

 

 

 

 

 

※東映chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

移動レストランの店主役の沢たまきが放った台詞「皆悩みや悲しみを背負っている。だから精一杯楽しく生きようとしているし人にも優しくなれる」そのままの生き方を、優作さんや小林稔侍・山西道弘・ポール牧等々が扮する刑事達と共に山谷さんも見せています。