見合当日の恋模様を描く・東映/日本テレビ放送網「・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・」古村比呂/近藤敦 | 東映バカの部屋

東映バカの部屋

東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

今朝の5時に勤務を終え、水曜日8時の始業時迄の休みですが、帰宅後に済ませるべき物事を済ませて就寝し起床すると既に14時…しかし、気象予報程の底冷えとはならなかっただけではなく、降雪も無ければ雪が融けるには十分の暖かさであり、雪寄せの手間が省けただけでも御の字です。

 

 

 

さて本日は、今月の東映ch「始動40周年記念【セントラル・アーツの軌跡 Vol.4~新人監督の輩出~】」の枠内で放映中の一作品からです。

 

 

 

「・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・」昭和63年7月12日公開・丸山昇一原作/脚本兼務・榎戸耕史監督・東映/日本テレビ放送網/キティ・フィルム/東映クラシック/セントラル・アーツの共同制作。

 

 

男性側の主演である当時楽隊の一人であった近藤敦(現・KONTA)は、劇中の音楽制作を兼任しています。

 

 

VHS化作品ですが未DVD化で有料動画配信も行われてはいません。

 

 

先述の通り、今月の東映ch内で放映されており、本日以降は2/17(日)18:00~19:50・2/26(火)20:00~21:50の二回放映されます(字幕付きHD放映)。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

※東映chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

「劇場版・あぶない刑事シリーズ」第二弾「またまたあぶない刑事」の併映作品。

 

 

柏原寛司/大川俊道の共同脚本・一倉治雄監督・東映/日本テレビ放送網/キティ・フィルム/東映クラシック/セントラル・アーツの共同制作。

 

 

VHS/DVD/ブルーレイ化作品で、GYAO!ストア/DMM.com/TSUTAYA TV/Netflix/Google Play/ひかりTVビデオ/ビデオマーケット/Rakuten TV/Amazonビデオ/YouTubeムービー内に於いて有料動画配信が行われています。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

●東映公式・YouTube予告動画

 

 

 

 

 

 

・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・」に関しては、今月の東映ch「ピンスポ・丸山昇一インタビューVol2」で丸山先生ご本人がお話をされていたのですが「脚本家の駆け出しであった頃に鑑賞して影響を受けた異国の劇場公開作品が有り、それを下地に自らを素材として書き上げていながらも棚上げにされていた脚本が「まだまだあぶない刑事」の併映作品の企画構想が難航していた時に「あれ、遣ってみようか」となり制作に至った」と云う意味合いの事をお話しされていました。

 

 

何方かと言えば「野郎好みの男臭い作品」の印象が強い丸山先生ですが、駆け出しの頃に影響を受けた作品がこの様な類だったとは…意外な印象を抱きました。

 

 

(余談…「難病物」は好きではなかったのだそうで、当作品の直前に手掛けた後藤久美子主演の東映制作「ラブストーリーを君に」は「脚本は丸山先生の単独執筆扱い」とはなっているものの「あの東映で毒も棘も無い脚本は通る訳が無い!」とも考えたのでしょう。「脱線した難病物」とも言える内容で執筆した脚本を書いて提出したら却下されあの東映」と「セントラル・アーツの黒澤満社長」が「毒や棘の有る人間が一人も出ない作品にしたい」と言い出し、結果「監督等々との共同作業で物語を構築した」との事がウィキペディアに掲載されていました。但し「病院内の描写や治療風景は必要最小限」「親子のべたべたした描写に傾倒していない」「実子の死を受け止めた親が何を土産に天国に旅立たせようとしたのか」「親としての苦悩等々を離縁した亭主や主治医にあっけらかんと、時には気丈に、狡賢く、明るく話して協力を求め、介抱・精神等々の疲弊を和らげ常に冷静な判断力を保とうとする母親の描写」等々、他の難病物と比べると一線を画していると感じます)

 

 

 

大手の建設会社の社員で「男性には負けられない!あたしは仕事の出来る女を目指す!」と云う様な「初心貫徹の精神と自惚れが同居をしている様な女性」古村比呂と、小さな広告代理店の社員で「不器用ではあるが常に自然体で正直な好青年」近藤敦と云う「地方出身者で独身=一人ぼっち」が見合いを通じて出逢ってから大凡十数時間先の別れ迄を描いた「二人ぼっち」の物語。

 

 

初対面の印象は古村さんは「結婚願望が無い為に興味すら沸かない。親類の秋野太作・岡本麗に対して義理を立てた迄の事(劇中内の秋野・岡本夫妻の家庭環境を知っていると仕方がないかもしれません)」秋野・岡本夫妻が営む洗濯屋の常連客でもあった近藤さんは「一目惚れ」…しかし話が全く噛み合わず、双方の共通点をも探し出す事の出来ぬまま一度別れます。

 

 

しかし、数時間後に街中で二人は偶然にも顔を合わせた上に、近藤さんが「同郷と云う縁」だけで東京案内をしていた「宮崎から家出して来た高校生」が怪我をし、病院に運ばれた際の人間性を見て、一緒に夕食に行く事にしたのですが、この先にも「偶然の連続」が待ち受けていたのです。

 

 

 

 

 

 

「歌唱力の高い方は芝居も上手い」と云う事はよく言われている事ですし、俺も同様の事を思っているのですが、ウィキペディアを読むと近藤さんは楽隊を結成する前は役者を目指して劇団に所属をしていた事が有るらしく「初芝居」となったこの作品では「その経験」が存分に生きた様に感じます。

 

 

公演で見せていた格好良さとは裏腹の「地味だが実直な好青年」を、近藤さんが面白可笑しく見せている所が最大の見所!

 

 

「学生時代には楽隊活動をしていた」と云う設定で「自慢の喉」を聴かせる場面がきちんと用意されている一方で「♪みっちゃんみちみちあんこ垂れて 美味しい!」「♪たんたんたぬきの金鍔は 美味しい!」と「或る和菓子屋の宣伝で流した替え歌」を古村さん他大勢が居る場所であっけらかんと歌い出す滑稽さも披露!

 

 

「ボンクラ野郎と東映ファンにも一定の配慮が為されている事」は好感が持てます!

 

 

但しこの場面は「作り話で周囲を盛り上げた近藤さんの行為」が古村さんを激怒させ、警察をも巻き込んだ騒動に発展する切っ掛けともなってしまい「近付きつつあった双方の気持ちが振出しに戻る結果」となっていると同時に「双方の根本的な物の味方・考え方の大きな差」を顕著に表しています。

 

 

それが終盤には二人で「秋野・岡本夫妻の洗濯屋のシャッターを蹴飛ばして逃げて隠れて様子を伺う悪戯迄をもする位」になるのですが…

 

 

他にも「肺病を気にしてニコチン軽減フィルターを付けて煙草を吸う姿」(しかも「ニコチン軽減の為の特殊フィルター構造を持つパーラメント」で遣っているのですから文句無し!)「ボンクラ野郎なら俺も含めて誰でも経験した事の有る、自室に女性が来ると解った時に自動販売機でサックを買い、何処に忍ばせようか迷った上に座布団の下に隠す行為!」(しかもこの場面では、古村さんが座布団に座ってしまい、慌ててサックを隠そうと飛び込んだものの間に合わず、近藤さんの言い訳は「子供の頃、陣取りってよく遣ったよね!」「お茶漬けを食べる為に御飯を炊いていた炊飯器の蓋がカタカタと…その為、待望の交尾は貫通迄に至らず断念!」等々「それ迄の東映作品に於けるボンクラ野郎とは違った形の、近藤さんの実直で生真面目なボンクラ野郎姿」は今改めて観直すと新鮮!

 

 

「お互いを理解出来たのか?恋愛は成就するのか?」等々をはっきりと描かず「その後の展開は観客の皆様の想像・判断にお任せします」と言わんばかりの結末が有ってもいい!

 

 

寧ろ実生活では「この様な事の方が大部分」でもありますので「東映側が想定をした観客の主な年齢層に「恋愛が始まる切っ掛けの一つはこう云う物であり、全てがトントン拍子に進むより衝突を繰り返し理解を深めて行く事の方が多いし意味が有る」と教えたのでは?」とも感じます。

 

 

 

 

 

 

そして「出番の長短」は有るものの三浦友和・玉置浩二・片桐はいり・小林稔侍・村上里佳子(現・RIKAKO)・河合美智子・田中美奈子・鳥越マリ・鴻池尚史・鶴見辰吾・木之元亮・斉木しげる・石丸謙二郎・松澤一之・きたろう・伊原剛志等々の面々が配され、これ等の方々を探す楽しみも兼ね備えています。

 

 

もし可能であったのならば、近藤さんの楽隊の盟友で大手商社での勤務経験が有る杏子を、例えば「古村さんの先輩社員」なんかでちょっと出演させて欲しかったなぁ…